森トラストが運営する高層オフィスビルの神谷町トラストタワー(東京都港区)がAI警備システムの検証を開始した。アジラのAI警備システム「AI Security asilla」を採用して既存の監視カメラ30台にAIを導入し、異常行動や不審行動を検出したときのみ映像を通知する仕組み。アジラが2023年8月1日に発表した。
神谷町トラストタワーは、東京都港区にある地上38階・地下3階の高層オフィスビルである。同ビルは2023年8月1日、警備の質を向上する目的で、AI警備システムの検証を開始した。既存の監視カメラ30台にAIを導入し、異常行動や不審行動を検出したときのみ映像を通知する仕組み。警備員の映像を監視する業務を軽減すると共に、見逃しや見落しを防ぐ。
利用するAI警備システムは、行動認識AIを開発するアジラ(本社:東京都町田市)の「AI Security asilla」で、行動認識技術を基にしたAI警備システムである。迷惑行為の検知、見守り、人数の検知、違和感行動の検知が可能である。
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各カメラに映った行動をAIが自律的に学習し、通常から逸脱した動きを「違和感」として検知する。予期しない危険行動を検知した場合に通知することで、事件・事故を未然に防ぐ(図1)。
数百台規模のカメラ映像でも、AIが常に映像を監視する。人の眼では捉えることが困難な些細な動きも認識可能である。カメラは既設のものを使える。アジラが提供する「エンタープライズプラン」では、サーバー1台で最大50台のカメラ映像を解析する。ローカルネットワークで完結するシステム構成により、映像が外部に流出するリスクを回避している。