神戸市水道局(本部:兵庫県神戸市)は、工事申請図面をAIで審査するシステムを2024年7月1日から運用する。富士通Japanと共同開発したシステムにより、工事事業者が申請した工事図面上の給水装置記号などを自動検出することで、職員による目視検査を省力化する。富士通Japanが2024年6月21日に発表した。
地方公営企業の神戸市水道局は、戸建て住宅を中心とする簡易な給水装置工事の電子申請化と共に、リモート検査を導入するなど、工事事業者にとっての利便性向上に取り組んでいる。一方で、簡易な給水装置工事は年間約6000件の申請があり、図面審査に多くの人的リソースを費やしていることが大きな課題だったという。
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2024年7月1日からは、富士通Japanと共同開発した、工事申請図面をAIで審査するシステムを運用する。AIによる画像認識によって、工事図面上に記載された約30種類の給水装置記号や配水管の口径・管種・布設年度などの字句を自動で検出し、検出結果と一覧を表示する。こうして自動検出された情報に対して、職員は神戸市が定める給水装置工事施行基準の下で最終チェックを行う(画面1)。
これまでは、職員が目視で給水装置記号などを拾い出していたが、AIによる審査システムにより、これらの作業負担が減り、審査時間が短くなる。また、AIによる検出結果を工事事業者に示すことによって、審査項目が明確になり、工事図面の精度が向上するとしている(図1)。
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