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東京海上日動、代理店からの問い合わせに対する応答を生成AIで効率化する検証

2024年12月20日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

東京海上日動火災保険(本社:東京都千代田区)は、代理店からの照会応答を生成AIで効率化する検証を開始する。応答の「担当振り分け」や、照会応答データを利用した「FAQ作成」などを自動化する。生成AIのコンサルティングやチューニングを担当するカラクリが2024年12月20日に発表した。

 東京海上日動火災保険は、日々の業務として、代理店からの照会に応答している。1日に数千件の問い合わせに対し、目視で内容を確認し、コンタクトセンターや営業課支社に割り振って回答している。しかし、「照会内容の理解や回答の準備に時間を要する場合があえい、こうしたタイムラグを顧客満足度向上における課題となっている」(同社)という。

図1:東京海上日動火災保険が始める、代理店からの照会応答を生成AIで効率化する検証の概要(出典:カラクリ)
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 同社は、照会応答業務に生成AIを活用する検証を始める。カラクリが生成AIのコンサルティングやチューニングを担当する(図1)。(1)データを適切な形に整備する要約、(2)最適な担当者への振り分け、(3)基盤となるデータベース拡充に向けたFAQ生成、(4)分析の4要素について実証する。これらが連動することで、照会応答業務全般の効率化を期待している。

 (1)代理店から寄せられる問い合わせを、前処理として生成AIで要約する。「生データのままだと枕詞や長文が情報のノイズとなり、AIが質問の背景を絞り込むことが困難になる場合がある」(同社)ためである。データの判読性を高めることで、RAG(検索拡張生成)の検索精度を向上させる。

 (2)マニュアルや照会応答データを、要約技術などを用いて、1問1答のQ&A形式のデータに変換する。Q&Aデータを基に、発生頻度などを踏まえてFAQとして抽出する。これまで人が行っていたFAQ作成業務を自動化する。

 (3)生成AIと独自のAIを活用し、個々の照会を、回答の難易度などに応じて「コンタクトセンター対応」「営業拠点対応」「FAQによる解決」の3つに自動で振り分ける。業務に要する時間を削減し、顧客対応を迅速化する。

 (4)振り分け技術を応用し、AIが代理店ごとの問い合わせ傾向を分析し、東京海上日動の担当者に向けて、支援レポートの提供や勉強会を立案を行う。

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