パナソニック コネクトは2025年7月8日、顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」に「現場管理サービス」を追加して提供開始した。工場、建設、倉庫などの現場で必要な機能群をパッケージにしている。ユーザーは組み込み開発が不要でアプリケーションとしてすぐに利用できる。まずは関係者の出入りを顔認証で管理する入退管理機能を提供する。以降、勤怠管理や映像監視などの機能を段階的に追加する。
パナソニック コネクトの「KPASクラウド」は、顔認証クラウドサービスである。入退・勤怠管理、決済やチケッティングシステムとの連携など、広範な業界のニーズに応える(関連記事:パナソニック コネクト、顔認証クラウドのエンジンを強化、一度に100万人を照合可能に)。
顔認証の仕組みや顔画像の登録などの機能をアプリケーションに組み込むためのSDK(ソフトウェア開発キット)を提供している。SDKはJavaScriptで実装されており、Webアプリケーションに組み込んで利用できる。

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今回、KPASクラウドに「現場管理サービス」を追加した。工場、建設、倉庫などの現場で必要な機能をパッケージにしている。まず、関係者の出入りを顔認証で管理する入退管理機能を提供する。タブレットやPCで操作でき、システムの組み込み開発などは不要である(画面1)。
現場の入退場に顔認証を導入することで、人間による判断ミスやICカードの紛失・盗難などを排して安全性を高める。また、担当者が行う手続きや管理作業を軽減する(図1)。

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管理者ポータル画面で入退履歴を確認できる。エリア(現場・施設)、セクション(会社・組織)、ステータス別(入場/退場)などでソート表示することで、「今、だれが、どのエリアにいるのか」をリアルタイムに把握できる。また、入退履歴を日報や出面表としてレポート出力する機能を備え、勤怠管理や給与計算などに反映可能である。
パナソニック コネクトは、工場、建設・工事現場、倉庫などの関係者が出入りする現場には、部外者の侵入や情報漏洩、資材や資産の盗難といったリスクがあり、正確な入退管理に加えて、履歴を効率的に保管しすぐに確認できる仕組みが欠かせないと指摘する。
「しかし、実際の現場では、紙台帳やICカードなど発行や管理に手間とコストがかかる方法での入退管理がまだ一般的である。入退履歴の記録や確認作業が煩雑で、リアルタイム性も欠如していることから、トラブル発生時の初動対応に遅れが生じるほか、なりすましのリスクもある」(同社)。顔認証を用いた入退管理により、これらのリスクに対処するとしている。
パナソニック コネクトは今後、現場管理サービスに、勤怠管理、各扉に設置する顔認証の入退管理、防犯カメラ連携による映像監視などの機能を追加する予定である。