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日立、AIエージェントとデジタルツインを活用した「現場安全高度化ソリューション」

熟練作業者のナレッジに基づき、作業手順や注意点を視覚的に提示

2025年7月8日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2025年7月8日、作業安全支援システム「現場安全高度化ソリューション」を販売開始した。同年9月30日から提供する。建設や輸送、電力などの危険を伴う作業現場での安全確保を支援するシステムである。熟練者の安全基準を学習させたAIエージェントと米NVIDIAの技術を組み合わせ、デジタルツイン上で作業手順や危険箇所を視覚的に示す。料金は個別見積もり。

 日立製作所の「現場安全高度化ソリューション」は、建設や輸送、電力など、危険を伴う作業現場の安全確保を支援するシステムである(関連記事日立、メタバースで非熟練者の工場現場作業を支援するAIエージェント「Naivy」)。

 熟練者の安全基準を学習させたAIエージェントが、「NVIDIA Omniverse」によって構築された、ユーザーの作業現場をシミュレートしたデジタルツイン上で、作業員に対して作業手順や注意点を視覚的に提示する(図1)。

図1:デジタルツインとAIエージェントで現場作業の安全を確保する「現場安全高度化ソリューション」の概要(出典:日立製作所)
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 「従来の現場作業は、設備の騒音によって情報伝達が難しい中、限られた時間で情報を共有しなければならないなど、コミュニケーション上の課題があった。昨今は熟練作業者が減り、伝達ミスや認識のズレから労働災害につながるリスクが高まっている」(日立)という課題に対処する。

 AIエージェント群は、日立が自社開発・運用してきたOT(制御技術)ナレッジ活用手法を用い、安全事例や熟練作業者の判断プロセス、暗黙知を学習させて構築。減少する熟練作業者に代わって安全判断を支援する。

 デジタルツインが危険シナリオのシミュレーションを可能にする。これまで熟練作業者の個人的な経験や勘に依存していたリスクアセスメントを、AIエージェント群による統一された基準の下で実施する。これにより、「部署や個人による安全基準のバラつきを解消し、現場特有のリスクや注意点をだれもが分かりやすく理解できる環境を整備する」としている。

 日立グループでの取り組みとして、日立プラントコンストラクション 柏事業所(千葉県柏市)などで、2026年3月からの本番稼働に向けた検討・準備を進めている。新人作業員向けの教育プログラムや現場作業のシミュレーション、事故防止を目的とした定例ミーティングでの活用を想定している。

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日立製作所 / デジタルツイン / AIエージェント / NVIDIA / メタバース / 技術継承 / 教育プログラム / 建設 / 建築 / 運輸・交通 / 製造 / OT / 安全管理

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