[市場動向]
顔認証で児童の入退館を検知して保護者に通知する“デジタルな見守り”、ミマモルメとNECが実証開始
2025年8月7日(木)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
阪神電気鉄道グループのミマモルメとNECは2025年8月6日、顔認証を利用した児童の入退館通知サービスの実証実験を同年8月8日より実施すると発表した。児童の見守りと保護者への通知の仕組みを、NECの顔認証サービス「Bio-IDiom Services for SaaS」とミマモルメの情報通知サービスの連携によって構築する。実証実験では、NECグリーンスイミングクラブ溝の口(神奈川県川崎市)に通う児童の入退館を顔認証で検知して保護者に通知する安全・見守りのサービスの効果を検証する。
ミマモルメとNECは、顔認証を利用した入退館通知サービスの実証実験を共同で始める。ミマモルメは、阪神電気鉄道の100%出資で設立された安全・教育事業会社で、児童の登下校時などの見守り・情報通知サービス「ミマモルメ」(写真1)を開発・提供している。

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両社は2025年8月8日~10月24日に、NECグリーンスイミングクラブ溝の口(神奈川県川崎市)に通う児童の入退館を顔認証で検知し、保護者に通知する実証実験を行い、入退館の検知精度や利用者満足度を検証する(図1)。
児童の見守りと保護者への通知の仕組みを、NECの顔認証サービス「Bio-IDiom Services for SaaS」(図2)とミマモルメの情報通知サービスの連携によって構築する。タブレット端末1台で運用可能で、特別な設備投資を必要とせず容易に導入できるとしている。

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「2次元コードやカードを用いて入退館を打刻する方法は、これらを持参し忘れた場合に打刻・通知できないという問題がある。顔認証は、認証に必要な要素が生体情報のみで、持参し忘れる問題が起こらない」(NEC)
ミマモルメとNECは、全国各地の教育・児童関連施設への展開を目指す。今後、学童施設への入退館やスクールバスの乗降に関する実証実験を予定している。