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倉敷中央病院、電子カルテシステムをHCIの仮想化基盤に移行、運用負荷を削減

2025年10月14日(火)IT Leaders編集部、日川 佳三

大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院(岡山県倉敷市)は、電子カルテシステムの稼働基盤をHCI(ハイパーコンバージドインフラ)に移行し、2025年3月より運用を開始した。ニュータニックス・ジャパンの「Nutanix Cloud Platform」への移行作業を6時間で完了し、診療への影響を最小限に抑えたほか、運用負荷を軽減している。同社が2025年10月10日に発表した。

 公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院(写真1)は、1923(大正12)年設立の総合病院である。岡山県西部において高度医療を担う基幹病院として運営している。同病院では、2024年4月施行の医師働き方改革を契機に、RPAなどを活用した医療DXを推進している。一方、診療報酬制度の変化や人手不足が病院経営を逼迫し、ITインフラの効率的運用が重要課題となっていたという。

写真1:倉敷中央病院の外観。赤屋根・赤煉瓦がシンボルとなっている(出典:倉敷中央病院)

 インフラへの取り組みとして、2021年から調剤、検体検査、放射線、看護、物流管理、会計事務などの部門システムの稼働基盤に、ニュータニックス・ジャパンのHCI(ハイパーコンバージドインフラ)システム「Nutanix Cloud Platform」を運用している。同病院はHCIの安定した運用実績と信頼性を評価し、2025年3月に電子カルテシステムを同基盤に移行した。現在、250~260台の仮想サーバーで約60~70のアプリケーションが稼働する。同病院 情報システム部 主任部員の前田貴之氏によると、今後は仮想サーバー300台規模になるという。

 倉敷中央病院のような1000床以上の大規模な医療機関では、電子カルテシステムの更新には長時間の診療停止を伴う。同病院の移行作業は6時間で完了し、業務への影響を最小限に抑えたという。

 加えて、医療機関ではセキュリティ確保のために、医療情報システムの安全管理ガイドラインに基づいた定期的な更新/バージョンアップが求められる。「サーバー/ストレージ/ネットワーク機器を個別に構成する3層アーキテクチャのインフラでは、機器の更新に数カ月を要する。Nutanixのソフトウェアは数クリックで完了できる。また、事前に問題を検知するプリチェック機能により、アップデート作業の負荷を軽減する」(ニュータニックス)。

 倉敷中央病院は現在、1つの病院が患者の全フェーズを担うのではなく、病状フェーズに応じてそれぞれの分野を得意とする病院が担当する地域連携の実現に取り組んでいる。

 すでに医療画像管理システム(PACS)の地域共同利用が開始されており、院内サーバーおよび院外のデータセンターにレントゲンやCT、MRI、超音波画像を保存し、共同利用参加病院間で共有できる仕組みを構築中という。そこでは、電子カルテの病院間の共同利用に向けて、Nutanix Cloud Platform上に設けた地域連携用ストレージを、大規模な閉域網を通じて地域で共有する構想を検討しているという。

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