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NEC、VDI管理ソフト新版「VirtualPCCenter 6.7」、仮想GPU対応で映像処理が向上
2025年10月10日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
NECは2025年10月10日、VDI管理ソフトウェアの新版「VirtualPCCenter 6.7」を同年10月1日に出荷したと発表した。新版では仮想GPUに対応し、VDI環境において、Web会議などのアプリケーションをより快適に利用できるようにした。同社の検証では、カメラをオンにしたWeb会議に仮想GPUを適用することで、仮想CPUの使用率が半減したという。
NECの「VirtualPCCenter」は、VDI(デスクトップ仮想化基盤)システムを構築・管理するソフトウェアである。VDI環境全体の管理を担う「管理サーバー」と、エンドユーザーが自身の仮想PCに接続するための「クライアント管理サーバー」で構成し、いずれもWindows Serverで動作する。
VDIシステム側にある仮想PCリソースとシンクライアント端末をエンドユーザーごとに関連づけて管理するコネクションブローカー機能や、仮想PCリソースを「マスターイメージ」と「差分イメージ」で管理してストレージ容量を削減する機能などを備える(図1)。

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VDIプラットフォームは、VMware vSphere 7.0/8.0とWindows Server 2022/2025のHyper-Vに対応し、これらの上で仮想PCとしてWindows 10/11およびWindows Serverを動作させる。エンドユーザーは、専用のエージェントソフトウェアをインストールしたシンクライアント端末(Windows 10/11)から、RDP(Remote Desktop Protocol)などのプロトコルを介して仮想PCに接続し、リモートで画面を操作する。
新版の6.7では、仮想GPUに対応した。PCサーバーに搭載の物理GPUを仮想的に分割し、複数の仮想PCに仮想GPUとして割り当てる仕組みが備わる。グラフィックスのようなGPUが得意な処理をCPUからGPUへとオフロードでき、これらのアプリケーションを使う際のCPU負荷を減らす。
同社の検証では、Web会議アプリケーションを利用するシーンで、仮想GPUなしのCPU使用率は51.6%、仮想GPUありのCPU使用率は24.8%と、50%以上の使用率減少が得られた。Web会議をより快適に利用できるようになるとしている(図2)。

また、新版では動作を保証する稼働OSのバージョンを拡充。管理サーバー、クライアント管理サーバー、VDIプラットフォーム(Hyper-V)、仮想PCのOSにWindows Server 2025を追加している。