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セールスフォース、ITサービス管理を自動化する「Agentforce IT Service」を発表、チケット制から会話型に転換
2025年10月10日(金)日川 佳三、河原 潤(IT Leaders編集部)
米セールスフォース(Salesforce)は2025年10月9日、ITサービス管理のAIエージェント「Agentforce IT Service」を発表した。従来のチケットベースから脱却し、SlackやTeamsなどのチャットを介した会話型の即時サポートを提供する。
「Agentforce」は、Salesforceプラットフォームのオプションとして提供するAIエージェント群である。営業、マーケティング、コマースなどSalesforceの各領域におけるタスクを自律的に処理する(関連記事:セールスフォース、AIエージェント新版「Agentforce 3」で可視性とMCP連携を追加)。
AIエージェントが、従業員(エンドユーザー)からの問い合わせや指示の内容から業務の種別を判断してアクションを実行し、結果を返答する。用途ごとのスキルを持つ各種AIエージェントを揃えるほか、個別のスキルを持ったAIエージェントをローコードで作成できる「エージェントビルダー」を提供する。

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今回、用途特化の新しいAIエージェントとして、IT部門のITサービス管理(ITSM)業務をこなす「Agentforce IT Service」(画面1)を発表した。従業員は、IT関連のサポートを求めるとき、AIエージェントとの会話を通じて必要な対応が得られるようになる。
一般に、ITサービス管理では問題や要求への対応がチケットベースで行われるが、セールスフォースは「チケットの発行は、膨大なリクエストを処理する前提で設計された仕組みで、待機時間が長く、度重なるやり取りが発生してしまう」とその非効率を指摘する。
Agentforce IT Serviceは、チケットから「AIとの会話」への転換を促す。「自分のPCが更新の対象かどうかを知りたい」といったケースで、従業員はチケットを発行して待つ必要はなく、SlackやMicrosoft Teams、社内ポータルなど日常的に使っているツールから質問できる。Agentforceはそれに対して、従業員のプロフィールや社内ポリシーを確認し、IT部門/担当者の介入なしにリアルタイムに回答を示す。
●Next:AIエージェントによるセキュリティインシデントへの対処例
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