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セールスフォース、AIエージェント新版「Agentforce 3」で可視性とMCP連携を追加
2025年7月28日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
セールスフォース・ジャパンは2025年7月28日、説明会を開き、米Salesforceが同年年6月23日(米国現地時間)に発表したAIエージェント新版「Agentforce 3」の特徴を紹介した。新版では、AIエージェントの稼働状況やビジネス効果などを可視化する画面を追加した。また、エージェントが実行する業界特化型のアクションを200個以上提供するほか。外部のMCPリソースと連携するためのMCPクライアント機能を追加している。
セールスフォース・ジャパンの「Agentforce」は、Salesforce上で利用可能な自律型AIエージェント群である。エンドユーザーのエージェントとなって、セールス、マーケティング、コマースなどSalesforceサービスの各領域におけるタスクを自律的に処理する(関連記事:セールスフォース、AIエージェント新版「Agentforce 2.0」で外部API連携や文書検索を強化)。
エージェントは、ユーザーからの問い合わせや指示の内容から業務の種別を判断してアクションを実行、その結果を返答する。用途に合わせたスキルを持つ各種AIエージェントを最初から揃えている。加えて、個別のスキルを持ったAIエージェントをローコードで作成可能なツール「エージェントビルダー」を提供する。
2025年6月には、新バージョン「Agentforce 3」を発表、機能ごとに順次提供を開始している。

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新版で追加した機能の1つが、AIエージェントのパフォーマンスを可視化する「コマンドセンター」である(図1)。同機能の意義について専務執行役員で製品統括本部長の三戸篤氏(写真1)は、「デジタル労働を広げていくためには、AIエージェントの稼働状況、回答品質、ビジネス効果を可視化する必要がある」と説明した。
新版ではまた、短期間で効果を出せるように、エージェントが実行する業界特化型のアクションを200個以上用意している(図2)。
これまでも汎用的なアクションライブラリを提供してきたが、今回初めて各業界に特化したアクションを提供する。これらのアクションを使って構築したエージェントのテンプレートには、金融業界の営業担当者によるCRMへの情報入力をサポートするものなどがある。

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新版では、外部リソースとの連携手段として、MCP(Model Context Protocol)のクライアント機能が加わった。MCPサーバーを用意している外部リソースに接続して活用する。ユーザーは、信頼できるMCPサーバーを、マーケットプレイス「AgentExchange」を介して探せる。例えば、「PayPal」のMCPサーバーと接続し、選択済みのアクション(請求書作成や請求書送信など)をエージェントから容易に実行可能になる(図3)。

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