米dotDataは2025年7月25日、データ分析ツール新版「dotData Insight 1.4」を発表した。新版では、データに隠れたパターン(特徴量)の組み合わせを探索し、ビジネスのKPIに影響する複合的な要因を発見できるようにした。また、SnowflakeやSalesforceなど主要データソースへのコネクタを提供する。ほかには、稼働環境としてAWSまたはAzure上のプライベートクラウドにデプロイして運用できるようにした。
米dotDataの「dotData Insight」(画面1)は、特徴量自動設計とAIを組み合わせたクラウド型データ分析ツールである。データに見られる特徴量(パターン)をAIが自動で設計・抽出する。ユーザーは、得られた洞察を基に生成AIと対話しながらビジネスの施策を導き出す(関連記事:データ分析ツール新版「dotData Insight 1.3」、洞察の抽出に有用なカラムの組み合わせをAIが推薦)。

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事業部門のユーザーに向けて開発・提供している。「利用にあたって統計やAIの知識は不要。『どんなテーマで何を分析すべきか』について、BIツールのようにデータと分析の目的を指定し、生成AIとの対話を行うことでデータから洞察を得られる」(同社)としている。
新版のdotData Insight 1.4では、AIによる組み合わせ要因の探索機能が加わった。dotDataのAIが発見する特徴量に対して、最適な組み合わせを自動的に探索し、ビジネスのKPIに影響する複合的な要因を発見する。組み合わせ最適化問題を高速に解くための独自アルゴリズムにより、膨大な数の組み合わせ候補から、異なる観点によるさまざまな組み合わせ候補をリアルタイムに提示する。
また、Snowflake、Salesforce、SQL Server、Amazon S3、Azure Data Lakeなどの主要データソースへのコネクタが利用可能になった。複数のデータソースをまたいだ洞察を発見しやすくしている。新版から実装されたデータコネクタフレームワークにより、今後のアップデートでコネクタの追加が容易になるとしている。
稼働環境面では、dotData Insightを自社のプライベートクラウドに直接デプロイできるようになった。Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)およびAzure Kubernetes Service(AKS)の両環境においてセルフデプロイメントが可能で、dotData Insightを、自社が必要とするデータガバナンス/セキュリティの下で運用・利用できる。
これらのほか、Amazon Bedrock上でのLLM「Claude 3.5 Sonnet」のサポートと、Python SDKのサポートが新版で加わった。
Python SDKの導入により、Python環境で動作するAIの特徴量発見・抽出の自動化ツール「dotData Feature Factory」とdotData Insightを連携させることができる。この連携によって、ユーザーは特徴量分析を自動化するパイプラインを構築し、業務部門とデータ分析部門の連携を強化することが可能になる(関連記事:dotData、AIの特徴量発見・抽出を自動化する「dotData Feature Factory」をリリース)。