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TIS、「生成AIプラットフォーム」にAIエージェント機能とノーコード開発機能を追加
2025年7月25日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三
TISは2025年7月25日、「生成AIプラットフォーム」にAIエージェント機能とノーコード開発機能を追加したと発表した。Excelからのデータ自動抽出や文書レビューといった定型業務を自律的に実行するAIエージェントをノーコードで開発できるとしている。事業企画書の作成やExcelからの自動抽出/転記など、9種類のプリセットエージェントを用意している。
TISの「生成AIプラットフォーム」は、生成AIの標準的な機能を備えたアプリケーションプラットフォームである。RAG(検索拡張生成)構成の生成AIシステムを構築・運用できる。オンプレミス環境にカスタマイズを含めて構築する個別開発型と、すぐに利用を始められるSaaS型から選べる。

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今回、特定の処理を自律型で実行するAIエージェントを開発・実行する機能を追加した。Excelからのデータ自動抽出や文書レビューといった定型業務を自律的に実行するAIエージェントをノーコードで開発できる(図1)。
エージェントの処理やエージェントを組み込んだワークフローを、ノーコードで設計可能である。プログラミング知識がなくてもアプリケーションを短期間で構築できるとしている(図2)。
ただちに用途のAIエージェントを開発できる「プリセットエージェント」を9種類用意している。今後、順次追加する予定という(表1)。

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汎用ツール系 | |
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アプリケーション | タスク説明 |
Excel自動抽出・自動転記 | Excel の該当項目を、別のファイルの該当項目に転記する作業を自動化。転記先には、色を付けるなどのマーキングをしておけば、そこに埋めるべきデータを自動的に転記元から探してきて、埋める |
ドキュメント情報抽出 | Excel帳票やPDF帳票から目的の項目を自動検出したり、Word契約書から目的の項目を自動検出したりして、一覧で出力する |
PDF差分抽出 | 2つのPDFの差分を抽出し、比較結果を出力生成AIで文脈単位で解析しながら、差分を検出する |
文書該当箇所検索 | 文書の中で該当する箇所を検索して提示する。社内マニュアルの変更箇所を特定する場合などのケースで利用する |
文書生成 | RAGを応用した文書生成。インプットは、社内技術情報や調査情報、そこから顧客向けの報告書を自動生成するなど。自動生成にあたり、過去の報告書をRAGで検索し、参考情報とする |
文書レビュー | レビュー観点を指定し、文書をレビューする |
業務ツール系 | |
実施内容 | タスク説明 |
新規事業企画作成アプリ | 新規事業企画における各フレームワークの内容を生成するアプリ。生成した内容は必要に応じて編集して保存し、別のフレームワークへのインプットとする |
サポートデスク用FAQ生成 | サポートデスクに蓄積された問い合わせ履歴から、有用なFAQを自動で生成する |
議事録作成 | TeamsやZoomのトランスクリプトを取り込み、議事録を作成する。要点をリストアップし、残したい議事録を選択させたり、重要なキーワードを指定して保存をコントロールしたりする。書式も設定できるようにする |
ほかには、セキュリティ/運用管理機能として、OpenID Connect認証やグループ単位のアクセス制御、ログ分析機能などを備えている。
TISは生成AIプラットフォームの導入支援コンサルティングを提供する。ビジネスへの影響や投資効果の試算から、実導入を意識した目標精度の設定、プロトタイプの作成、導入後の活用まで一貫して支援する。