[事例ニュース]

サクラクレパス、40年運用した基幹システムを刷新、通販売上が2年連続で4割増

ローコード開発ツール「GeneXus」を用いてアジャイル開発

2025年7月23日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三

文具ベーカーのサクラクレパス(本社:大阪市中央区)は、40年間メインフレームで稼働してきた基幹システムをクラウドで刷新した。在庫をリアルタイムに表示する機能などにより、通販事業の売上高は2年連続で前年比40%増を達成した。システム構築を手がけたJBCCが2025年7月23日に発表した。

 サクラクレパスは、「クレパス」「クーピーペンシル」「ボールサイン」などの筆記具で知られる、大阪府大阪市の老舗文具メーカーである。

 同社がこれまで運用してきた基幹システムは、メインフレームに構築されたCOBOL言語のレガシーシステムで、40年前に構築したものだった。長年の機能追加によってブラックボックス化が進んでいた。ECシステムとの連携が難しかったほか、COBOL技術者の高齢化、南海トラフ地震を想定したBCPといった課題を抱えていたという。

 今回、基幹システムをクラウドに移行して、レガシーマイグレーション型の刷新を図った。当初、アプリケーションパッケージの導入とシステム再構築を検討したが、パッケージでは顧客ニーズに合わせて開発してきた独自機能を再現することが難しいことが判明。JBCCの支援の下、ローコード開発ツール「GeneXus」を用いた再構築プロジェクトを推進した。

図1:サクラクレパスにおける基幹システム刷新プロジェクトの概要(出典:JBCC)
拡大画像表示

 プロジェクトに、JBCCによる独自のアジャイル開発手法を適用し、サクラクレパスの現場担当者を巻き込んで5回のサイクルで開発を実施。要件漏れを回避し、認識の食い違いを早期に発見・対応する体制で臨んだという(図1)。

 新基幹システムは、通販事業、卸事業、メーカー事業の3事業を網羅するかたちで段階的にリリースした。通販事業では、通販サイトに在庫情報をリアルタイムに反映できるようになり、注文後の在庫切れキャンセルが減少。通販サイトの売上高は2年連続で40%増を達成したという。

 運用面では、夜間バッチによるシステムバックアップを自動化し、運用担当者のリソースを1日の中で約2時間を他の業務に振り分けられるようになった。また、請求書管理の電子化を進めて、紙の使用量とコストを削減。他システムとのデータ連携によって業務工数も抑えている。

 サクラクレパスによると、今回のプロジェクトを経て、情報システム部門みずからがシステム開発プロジェクトを遂行する能力を身に付けることができたという。「ローコード開発ツールの習得に加え、アジャイルでのシステム開発の進め方を利用部門と共有できたことで、システムを迅速に開発する体制が整った」(同社)。

関連キーワード

サクラクレパス / GeneXus / ローコード / レガシーマイグレーション / COBOL / 製造 / JBCC / 大阪府 / 大阪市 / 内製化 / アジャイル

関連記事

トピックス

[Sponsored]

サクラクレパス、40年運用した基幹システムを刷新、通販売上が2年連続で4割増文具ベーカーのサクラクレパス(本社:大阪市中央区)は、40年間メインフレームで稼働してきた基幹システムをクラウドで刷新した。在庫をリアルタイムに表示する機能などにより、通販事業の売上高は2年連続で前年比40%増を達成した。システム構築を手がけたJBCCが2025年7月23日に発表した。

PAGE TOP