[事例ニュース]
ライオン、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた製品輸送を関東-九州間で実証
2025年8月4日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ライオン(本社:東京都台東区)は2025年8月4日、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた製品輸送を実証したと発表した。関東から九州への輸送において、荷崩れなど貨物への影響もなく、全体の運行日数も計画どおりに進んだという。実証は日本通運、日本貨物鉄道(JR貨物)、T2の3社と共に同年7月29日~31日の3日間実施した。
ライオンは、日用品の安定供給を目指すBCP(事業継続計画)の一環として、輸送網の多様化と先進技術の導入による新たな物流モデルの確立に取り組んでいる。
今回、ライオン千葉工場(千葉県)からライオン福岡流通センター(福岡県)まで、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた長距離輸送を実証した。実証は日本通運、日本貨物鉄道(JR貨物)、T2の3社と共に2025年7月29日~31日の3日間実施し、JR貨物とT2が共同開発した31フィート共用コンテナを用い、輸送品質やオペレーション、環境負荷を検証している(図1)。

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実証は、2025年7月29日~31日の3日間実施した。関東から九州まで一般のトラック(日本通運が担当)、レベル2(部分的な運転自動化、ハンドルから手を離す運転が可能)の自動運転トラック(T2が担当)、貨物列車(JR貨物が担当)を組み合わせて輸送した(表1)。
担当企業(輸送手段) | 担当区間 |
---|---|
日本通運 (一般のトラック) |
ライオン千葉工場→東京貨物ターミナル駅 |
T2 (自動運転トラック) |
東京貨物ターミナル駅→百済貨物ターミナル駅の高速道路およびIC前後の一般道 |
JR貨物 (貨物列車) |
百済貨物ターミナル駅→福岡貨物ターミナル駅 |
検証内容は、自動運転トラックから貨物列車への共用コンテナの積み替え作業(写真1)、関東から九州にかけての一貫したオペレーション、自動運転トラックの輸送区間を中心とした輸送品質などである。

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自動運転トラックで綾瀬スマートICから久御山JCTまでの410kmを走行し、百済貨物ターミナル駅での共用コンテナ積み替え作業も遅滞なく進行した。ライオン福岡流通センターに到着した際に荷崩れなど貨物への影響もなく、全体の運行日数は約1.8日と計画どおりに進んだという。
4社は今後、T2が2027年に開始予定のレベル4(特定条件下での完全自動運転)に準拠した自動運転トラックも視野に入れ、BCP強化や輸送能力拡大につながる取り組みを推進する。