[調査・レポート]
国内ソフトウェア開発でAI活用が急拡大、コード生成で利用率49%に─ガートナー
2025年10月15日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)
ガートナージャパンは2025年10月15日、国内のソフトウェア開発におけるAI活用の現状に関する調査結果を発表した。AIを使用中と回答した割合は、ソフトウェア開発の工程・用途に応じて31.8~49.0%だった。最も多い用途は「コード生成・補完」(49%)で、これに「コードレビュー」(40.0%)、「要件定義」(39.8%)が続いた。
ガートナージャパンは2025年7月、国内でソフトウェア開発に従事する企業所属の担当者400人を対象に、ソフトウェア開発におけるAIの利用状況を調査した。ソフトウェア開発工程を要件定義からプロジェクト管理まで9工程・用途に分け、それぞれでのAIの利用状況を尋ねている。

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AIを使用中と回答した割合は、ソフトウェア開発の工程・用途に応じて31.8~49.0%だった(図1)。最も多い用途は「コード生成・補完」(49%)で、これに「コードレビュー」(40.0%)、「要件定義」(39.8%)が続いた。前回調査(2024年6月)で使用中の割合は12.8~21.2%で、ソフトウェア開発においてAIの活用が急速に進んでいることがうかがえる。
「コーディングで特に利用率の伸びが高いのは想定どおり。一方、要件定義での利用率の伸びは、2024年の14.4%から2025年は39.8%と想定以上に高く、関心が急速に高まっている」(同社 ディレクター アナリストの関谷和愛氏)。
ソフトウェア開発にAIツール/サービスを使っていると答えた回答者(363人)に対し、AIツールの成果と課題を複数回答で聞いた。成果のトップ3は「開発効率・生産性の向上」(57.9%)、「コード品質の向上」(44.1%)、「ドキュメント品質の向上」(30.6%)だった。課題のトップ3は「脆弱性の生成や情報漏洩といったセキュリティ問題」(31.3%)、「生成したコードのライセンスや著作権の問題」(26.4%)、「保守性の低下」(25.6%)だった。
ソフトウェア開発におけるAI活用についての開発者の意識も聞いている。否定派は1.3%のみで、肯定派が全体の89.7%を占めている(図2)。ガートナーは「生産性向上などのビジネス価値に結びついた成果が出ている場合に、肯定感が特に高い傾向がうかがえる」としている。

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