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IDCフロンティア、「DLCハウジングサービス」を提供、直接液冷GPUサーバーで1ラック150kWの電力を確保

AIシステムの稼働基盤として提供

2025年7月8日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

IDCフロンティアは2025年7月7日、データセンターサービス「DLCハウジングサービス」の販売を開始した。直接液体冷却方式(DLC:Direct Liquid Cooling)のGPUサーバーを集積したシステムにおいて、1ラック当たり最大150kWの電力を確保する。同社の東京府中データセンターで提供し、同年10月に開業予定の奈良生駒データセンターでも利用可能にする。

 ソフトバンクグループのデータセンター事業者であるIDCフロンティアの「DLCハウジングサービス」は、直接液体冷却方式(DLC:Direct Liquid Cooling)のGPUサーバーをラックに集積するデータセンターサービスである。1ラックあたり最大150kWの電力を確保する。

図1:「DLCハウジングサービス」で選択可能な2つの冷水供給方式(出典:IDCフロンティア)
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 図1にある2種類の冷水供給方式から選択する。「Custom DLC」は、ラックごとに冷水を供給する方式で、冷水温度やPhなど固有の条件に適した冷水を供給可能である。「Area DLC」は、エリアまたはデータホールごとに冷水を供給する方式で、大規模なサーバーの導入に適している。

 2025年7月に同社の東京府中データセンター(東京都府中市)で提供を開始し、同年10月に開業予定の奈良生駒(いこま)データセンター(奈良県生駒市)でも利用可能にする。ユーザー企業は、両データセンターでの同時運用により、AIシステムの稼働基盤を東西に分散して配置できる。

 「AIシステムの用途でGPUサーバーの利用が広がり、1台当たりの消費電力も増えている。GPUサーバーでは1ラック100kW以上の電力を必要とするケースもあり、冷却効率を高めるためにDLCの導入が進んでいる」(IDCフロンティア)

 同社は、液冷サーバーの設置にあたっては、冷却液の供給設備、電源構成や床荷重の見直しなどデータセンター側で設備改修などの対応が必要になると説明。また、GPUの納品に合わせてデータセンターを準備するニーズも多く、データセンター側には迅速な受け入れ体制が求められているという。

 DLCハウジングサービスでは、CDU(冷却分配装置)を含むサーバーラック一式を設置可能な環境を、最短2カ月で構築する。DLC方式のGPUサーバーは、送水する設備水などの仕様がベンダーごとに異なるが、同サービスではベンダー各社との連携により、利用するGPUサーバーに合わせた仕様を提供する。IDCフロンティアと連携するサーバーベンダーは以下のとおりである。

  • 米Dell Technologies
  • 米Hewlett Packard Enterprise(HPE)
  • 中国Lenovo
  • 台湾Quanta Cloud Technology(QCT)
  • 米Super Micro Computer

 IDCフロンティアは2022年3月から東京府中データセンターにおいて、リアドア型空調機を搭載した専用ラックを提供する「高負荷ハウジングサービス」を提供している。中央熱源設備で生成した冷水を空調機に送って循環させる仕組みを持つ。このサービスの進化版としてDLCハウジングサービスを提供する。

関連キーワード

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