国際刑事警察機構(ICPO=インターポール)が、サイバー犯罪捜査を専門に扱う機関IGCI(Interpol Global Complex for Innovation)を設置したことからもわかるように、サイバー犯罪に国境は無い。いずれの国においても、サイバー犯罪の多くは国外からのもので、各国の捜査機関が単独で対応することはもはや不可能となっている。だからこそ、これからのサイバー犯罪対策で何よりも重要となってくるのは、国境を跨いだ「情報共有」となる。2015年11月7~8日に、沖縄で行われた国際会議「Cyber3 Conference Okinawa 2015(C3カンファレンス)」は、世界からあらゆるレベルのステークホルダーが集まり議論を交わした、サイバー犯罪対策の一大会議となった。
3つのセッションでディスカッション
会議のメインとなったセッションは、「サイバーコネクション」「サイバーセキュリティ」「サイバークライム」という3つのテーマに分かれて行われた。各トラックに議長、政策リーダー、テクノロジーリーダー、アカデミックリーダーが設けられ、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やオリンピックなどのテーマが設けられたセッションごとに有識者による討論が行われた。
「サイバーコネクション」では、ビジネスに大きな変化をもたらしたインターネットが、その裏で大きな脅威をもたらしているという現実を捉えたうえで、データ依存型の企業が、世界各国の法執行機関やサイバーセキュリティの専門家とどのように連携すべきかをディスカッションした。また、その脅威を理解できていないCEOや政治家に、いかにわかりやすく情報提供を行っていくかという課題にも取り組んだ。
(写真2)セッションの模様「サイバーセキュリティ」では、今や国家レベルの課題となりつつあるサイバー脅威について、サイバー空間の健全性整備やセキュリティ強化の方法、組織・国家間の協力の方法を探った。また、サイバーセキュリティを単なるITの問題と考えずに、政策上の最優先課題として認識するようとの主張を行った。
「サイバークライム」では、サイバー犯罪の脅威に対する国内外の法執行機関の連携状況や民間セクターの対応などを確認した。また、セキュリティ対策が「国家主権」という概念に縛られ対応が行き届いていない現状を指摘、複雑化していくサイバー犯罪に対抗すべく、あらゆるレベルのグローバルステークホルダーが連携して、情報や知見の交換を活発に行っていく必要性を訴えた。
会議全体を通して、今回の大きなキーワードのひとつとなったのが「情報共有」だった。情報共有こそ様々な立場のステイクホルイダーを集めた今会議開催の主要デーマでもあり、様々な枠組みのあり方が論じられた。米国務省のシニアアドバイザーであるブライアン・ノードマン氏は情報共有について「経済的なインセンティブを設けるのもひとつの解決策だ」と提案した。また、「サイバーセキュリティ対策の情報共有の枠組みに政府が参加するのは当然」としながらも、国の機密情報に縛られる政府が「ゲートキーパーというわけではない」とも語り、民間ネットワークの重要性を説いた。
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