日立製作所は2017年10月6日、不審なドローンをレーダーで検知する“ドローン検知システム”を発表した。2017年12月から提供する。目視よりも広いエリアを監視・警備できる。レーダー、カメラ、操作端末などで構成する。
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最大の特徴は、ドローンの検知方法としてレーダーを用いることである。飛行音や通信電波による検知と異なり、環境に依存することなく検知できる。大きな音が発生するイベント会場や、他の電子機器の電波が飛び交う場所でも使える。
検知したドローンをカメラで追尾するシステムも提供する。これにより、映像でリアルタイムに確認できる。地図ソフトと連携し、ドローンの侵入経路や検知位置、映像などを地図ソフト上に表示させられる。
地図ソフトは、障害物によるレーダーやカメラの死角を再現したり、ドローンの想定航路に対する検知状況をシミュレートする機能を備える。これにより、レーダー、カメラ、警備員の最適配置を支援する。
少人数かつ短時間で設置・運用・撤収できる。まず、レーダーとカメラを含んだ構成品が小型軽量で、簡単に持ち運べる。ケーブルを接続し、レーダーとカメラの設置位置や向きなどの設定を行うだけで利用できる。
システム開発の背景について同社は、ドローンが測量や災害時の状況把握などさまざまな分野で利用されている一方で、重要施設への不法侵入といった問題が発生していることを挙げている。「不審なドローンに対する効果的な警備手法の確立が求められている」(同社)。