日立製作所は2019年1月30日、企業のIT運用の継続的な改善を支援する「IT運用最適化サービス」を強化し、同年1月31日から順次提供すると発表した。SaaS型のITサービスマネジメントソフトウェア「ServiceNow」によってDevOpsプロセスを標準化するサービスなど、新たなメニューを追加している。
日立製作所のIT運用最適化サービスは2017年7月から提供している。ITを含んだ業務プロセスの標準化や、IT運用のサービス品質や効率の継続的改善を支援する内容となっている(図1)。
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運用のコンサルティングや初期構築を担う「立ち上げ支援サービス」、運用開始後の定期的なアセスメントなどを行う「継続支援サービス」、JP1製品などをユースケースごとに組み合わせて提供する「サービスプラットフォーム」で構成する。価格は、いずれも個別見積もり。
今回、DevOpsプロセスを標準化するメニューと、セキュリティ運用を自律化するメニューを拡充した(表1)。セキュリティ運用の自律化では、脆弱性の把握や対策を自動化するメニューと、マルウェア感染などの監視・検知を自律化するメニューを用意した。
ユースケースに基づく支援内容 | 開始時期 | |
---|---|---|
IT運用標準化 | DevOps実践プロセスの標準化(新規) | 2019年1月31日 |
ジョブ運用プロセスの標準化 資産管理プロセスの標準化 その他 |
済み | |
セキュリティ運用自律化 | 脆弱性の把握や対策の自動化(新規) | 2019年1月31日 |
マルウェア感染などの監視・検知の自律化(新規) | 2019年3月29日 | |
OSセキュリティパッチ適用 | 済み | |
AI適用 | イベントのエスカレーション要否判断 障害予兆の検知 その他 |
済み |
DevOpsプロセスを標準化するメニューでは、SaaS型のITサービスマネジメントソフトである「ServiceNow」を活用し、ITIL準拠の標準的な管理プロセスを適用する。同メニューではまた、各企業への具体的な適用や改善をコンサルタントが支援する。2019年1月31日から提供する。
脆弱性の把握や対策を自動化するメニューでは、脆弱性に対策する一連のプロセスを自動化する。公開されている脆弱性情報(JVN)と、企業のPCやサーバー、スマートデバイスなどで動作させているソフトウェアの情報を照合し、脆弱性の状態を把握し、対策版のアップデートを実施する。同年1月31日から提供する。
マルウェア感染などの監視・検知を自律化するメニューでは、マルウェア感染などによる不自然なふるまいを機械学習エンジンなどで監視・検知するソフトを活用する。これにより、自律的に監視・検知し、JP1とネットワーク製品を連携して隔離する、といった対策の仕組みを提供する。同年3月29日から提供する。