アイ・ティ・アール(ITR)は2020年9月3日、国内におけるタスクマイニング市場の規模について、2019年度から2024年度にかけての推移と予測を発表した。2020年度の市場規模は15億円で2019年度(4億円)と比べて275.0%増と急速な伸びを予測している。2024年度の市場規模は75億円で、2019~2024年度の年平均成長率は79.7%になる。
タスクマイニングは、PCの操作ログを入力データとして、個々の従業員が実行する日常業務(タスク)を可視化・分析する製品ジャンルである。従業員の生産性や業務分担の偏りを明らかにしたり、RPA(ロボットによる業務自動化)で自動化すべき業務を選定したり、といった用途に活用する。
2019年度のタスクマイニング市場の売上金額は、4億円だった。2020年度の予測は15億円で、前年度比で275.0%増と急速な伸びを示す(図1)。2019年に市場を形成したばかりの製品ジャンルであるために市場規模はまだ小さいが、市場認知度は急速に高まっている。
2020年には、コロナ禍での在宅勤務増にともない、テレワークの業務実態を把握する手段としての注目が集まり、導入が増えている。また、プロセスマイニングと組み合わせることで、複数の部門にまたがった業務プロセスの可視化や最適化も期待できる。こうした要因から、市場は2024年度には75億円、2019~2024年度のCAGR(年平均成長率)は79.7%と非常に高い伸びを予測している。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2020』に詳細を掲載している。同レポートには、RPA、OCR、BPM、BRMS、ワークフロー、タスクマイニング、プロセスマイニングの全7分野を対象に、国内58ベンダーへの調査に基づいた2018~2019年度売上げ実績および2024年度までの売上げ予測を掲載している。