日通システムは2020年9月9日、健康管理を兼ねた人事システム「HRM&HLプラットフォーム」を導入しているユーザー企業に向けて、社員の勤怠、健診、ストレスチェックデータを分析して傾向を予測するAIを開発したと発表した。人事システムに健診情報を取り込んで分析できる。将来の傾向を予測することで、改善活動に効果があったか否かを検証するベンチマーク指標にできる。
日通システムは、社員の勤怠、健診、ストレスチェックデータを分析して傾向を予測するAIを開発した(図1)。ユーザー企業が保有する健診情報を、人事システム「HRM&HLプラットフォーム」に取り込むことによって分析できる。社員のストレスなどに関して、将来の動向を予測できる。
予測モデルは、マシンラーニング(機械学習)によって生成した。健診11項目の判定結果、ストレスチェック57項目の回答と判定結果という少量のデータで、かつ1度の健診やストレスチェックの受診から予測を行える。初めて受診した個人や従業員に対しても予測を行える。
さらに、HRM&HLプラットフォームの統合データ分析機能などによって作成した各社ごとの特徴を示すデータ(働き方データ)を加えることで、働き方データを加味した予測を行える。
マシンラーニングでは、複数のAIを組み合わせたアンサンブル学習を使っている。これにより、偽陰性(悪くなる人に対して良くなると予測)を少なくしつつ、偏った予測を行わないよう調整を行っている。
データ分析およびAIの開発は、顧客の個人情報の削除および匿名化を行っている。分析したデータ数は、数10社、のべ5000人程である。この結果、多くの人の健康/ストレスの状態が、変わらないか悪化していく傾向が見られたという。