[市場動向]

産学官8団体、各分野のデータを連携させて活用するソフトウェア技術を開発

交通分野や観光・旅行分野などで実証を開始

2022年3月1日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所など8組織は2022年2月28日、産学官の各分野にまたがったデータを連携させて活用することを目指し、これらのデータに接続するコネクタソフトウェアと、データの内容や取得方法を横断的に検索する機能を開発したと発表した。これらの有効性を検証するため、交通分野や観光・旅行分野など複数の分野において実証を開始する。

 産官学で構成する8団体は、産学官の各分野にまたがったデータを連携させて活用することを目指し、これらのデータに接続するコネクタソフトウェアと、データの内容や取得方法を横断的に検索する機能を開発した(図1)。

 これらの有効性を検証するため、交通分野や観光・旅行分野など複数の分野において実証を開始する。8団体の構成は、日立製作所、SBテクノロジー、東京大学、NEC、富士通、国立情報学研究所(NII)、NTTデータ、JIPテクノサイエンスである。

図1:分野間でデータを連携させて活用するための基盤技術の概要(出典:日立製作所、SBテクノロジー、東京大学、NEC、富士通、国立情報学研究所、NTTデータ、JIPテクノサイエンス)図1:分野間でデータを連携させて活用するための基盤技術の概要(出典:日立製作所、SBテクノロジー、東京大学、NEC、富士通、国立情報学研究所、NTTデータ、JIPテクノサイエンス)
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 取り組みの1つは、産学官で形式が異なるデータカタログを共通化したことである。データの取得方法や、データカタログに記載する情報の表記を統一した。これにより、データ利用者がデータ提供者と個別に調整をする必要がなくなった。さらに、データ利用者と提供者をつなぐインタフェース機能であるコネクタソフトウェアを開発した。NIIは、データカタログを横断的に検索する機能「データカタログ横断検索システム」をインターネット上で試行公開している。

 8団体は、開発した技術を社会に実装するため、交通、観光・旅行など複数分野で実証を開始する。実証を通じて、データカタログの作成やデータ交換などを検証し、課題を把握する。交通分野での実証では、地方公共団体が保有するEV公用車の諸データを取得して活用するコネクタについて、有効性を検証する。観光・旅行分野の実証では、航空情報、気象情報、周辺の交通情報を組み合わせて空港内の人流情報を可視化し、旅客を商業施設に効果的に誘導する。

 今後は、コネクタソフトウェアをオープンソースとして公開する。また、一般社団法人データ社会推進協議会(DSA)が推進するデータ連携サービス「DATA-EX」での運用を目指す。

 開発の背景として、産官学の各分野で分散しているデータを連携させて新サービスの創出などに活用する需要がある一方で、データカタログの表記が統一されていないなど相互運用面での課題が存在することを挙げる。「この課題を解消するため、各分野のデータを連携させる技術として今回、データ接続コネクタとデータカタログ検索機能を開発した」という。

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日立製作所 / 運輸・交通 / 観光・旅行 / SBテクノロジー / 東京大学 / 富士通 / NEC / NTTデータ / 協業・提携 / 産学官連携

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