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キリンビバレッジ、「アセスメントAI」を構築して品質管理業務を効率化、レシピ開発に向き合う時間を確保

2022年4月28日(木)神 幸葉(IT Leaders編集部)

キリンビバレッジとキリンホールディングスは、飲料の商品開発品質アセスメント業務をサポートする「アセスメントAI」の一部試験運用を2022年4月から開始したと発表した。同AIによって業務効率化を図ると共に、開発者がレシピ開発に向き合う時間を確保。より高品質な新商品開発に繋げていく狙いがある。

 キリンビバレッジの清涼飲料の新商品開発では、開発者の知見を基に、原材料の配合、製造方法などから想定される品質リスクを抽出し、技術検証を繰り返す。

 同社は、「目標とする品質実現には過去の技術蓄積からも参考知見や着想を受け、発生しうる品質リスクを洗い出す必要がある」と説明。しかし、膨大な情報からの探索作業に要する時間には開発者の経験による個人差が発生していたという。

 問題解決のために同社商品開発研究所とキリンホールディングスのDX戦略推進室は、品質アセスメント業務をサポートする「アセスメントAI」を開発。2022年4月から一部試験運用を開始した。

 アセスメントAIは、以下の「類似レシピ探索機能」と「品質リスク探索機能」で構成されている(図1)。

●類似レシピ探索機能:これまでに開発したレシピ情報をデータベース化。熟練した開発者の思考パターンを基に構築した独自のAIモデルで、データベースから新レシピ情報の類似レシピを探索する。
●品質リスク探索機能:法令などのルールやキリンビバレッジのノウハウを基に独自のAIロジックを持つ。新たなレシピ情報から品質リスクの可能性を探索し、開発者に提供する。

図1:アセスメントAIイメージ図(出典:キリンホールディングス)
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 アセスメントAIの導入には、品質アセスメント業務の効率化と同時に、開発者が五感を生かしたレシピ開発に向き合う時間を確保する狙いがある。将来的にはこの仕組みを活用し、「午後の紅茶」や「生茶」などの基盤ブランド商品、ヘルスサイエンス領域商品などにおいて、より高品質な商品づくりを目指すという。

 キリングループは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」の達成に向けて、「価値創造を加速するICT」の実現を掲げている。その中核がデジタルトランスフォーメーション(DX)による新たな価値創造だ。同グループは「グループ全体のDX加速で新たな価値を生み出し、2022年中期経営計画に掲げる“品質と効率を極める体制と組織風土”を推進する」としている。

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