伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2023年8月25日、SIサービス「AOAI環境構築サービス」を提供開始した。企業の独自な利用に特化した対話型生成AIの環境を構築する。社内文書の内容も検索して学習し、企業独自の回答を実現する。価格(税別)は1000万円から。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「AOAI環境構築サービス」は、企業の独自な利用に特化した対話型生成AIの環境を構築するSIサービスである。マイクロソフトが提供する生成AIサービス「Azure OpenAI Service」の利用環境を提供する(図1)。
拡大画像表示
「業務の効率化を目的に、企業が対話型の生成AIの導入に取り組んでいる。生成AIを効果的に活用するためには、自社に特化した情報を活用できることが必要で、情報漏洩を防ぐセキュリティを備えた環境が必要になる」(CTC)ことから同サービスを提供する。
個々の企業専用の生成AI環境として利用できる。Microsoft Azureがセキュリティ機能として備える、データの暗号化、アクセス制御、監査ログなどが使える。CTCが検証済みの検索エンジンを合わせて導入することで、社内文書に基づいた企業独自の回答が可能になる。
加えて、生成AI環境の活用を支援する「生成AIデータ分析サービス」を提供する。質問や回答の会話、利用した社内文書の記録(ログ)を利用して回答の精度を高める。継続的に生成AIの回答を調整していくことで、サービス利用の定着化と、さらなる業務の効率化につながるとしている。
今回の環境は、すでにCTC社内でも活用を進めている。ドキュメントの作成や調査などの業務で有効性を確認済みである。また、生成AIアドバイザリサービスの提供に関連し、製造業・金融業などを中心とした複数企業との実証実験や先行した環境構築も実施している。
なお、CTCは、2023年5月よりコンサルティングサービス「生成AIアドバイザリサービス」を提供している。生成AIの概要や活用方法に関する勉強会開催、プロンプト代行、システム連携を含めた、導入検討から実装までをカバーする。