富士通は2023年9月25日、説明会を開き、ITコンサルティング/SI事業体およびITサービス群「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」について説明した。同社が標準化・共通化した26種類の業務アプリケーションをSaaS型で提供する。ユーザーから要件を聞いて個別に受託開発する従来のSIとは異なり、例えばサプライチェーンにおける需要予測といった社会課題を起点に、同社のコンサルタントがユーザー各社に適した業務アプリケーションを提案して導入する。
富士通の「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」は、同社がグローバルで標準化・共通化した業務アプリケーションを提案し、その導入を支援するITコンサルティング/SI事業体およびITサービス群である。
従来型SIのように、ユーザーから要件をヒアリングして個別に受託開発するのではなく、富士通のコンサルタントがユーザーの課題解決につながる業務アプリケーションをSaaS型で提案し、その導入を支援する(図1)。
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26種類の業務アプリケーションをSaaSで提供する。内訳は産業・製造(5種類)、購買体験・サプライチェーン(5種類)、医療・健康(5種類)、業務効率化(11種類)である。いずれも、地球温暖化や食料不足などの社会課題を起点に、富士通がこれら課題への解決策として設計・標準化したものである(図2)。
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提供形態として、ITコンサルティング/SI事業ながらSaaSのパッケージアプリケーションを目指している。システムの8割を共通部品でカバーしつつ、残りの2割はユーザー個社に合わせたシステム開発支援を行う。これらを、極力パラメータの調整のみで個社に合わせられるようにする。
Uvance事業の販売実績は、2022年度が2000億円。今後の目標として、2025年度に7000億円を掲げている。
説明会では、提供例として、サプライチェーンにおける需要予測を説明した(図3)。データのシミュレーションによって、高精度で需要を予測し、販売機会の損失や製品の廃棄などを減らす。「このように、社会課題を起点にあるべき業務の姿を、Uvanceが業務標準化を行ってアプリケーションに落とし込み、共通サービスとして提供する」(富士通)としている。
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