日立ソリューションズは2025年7月18日、DMARC運用支援ソフトウェア「DMARC Manager」(開発元:独Hornetsecurity)を提供開始した。送信ドメイン認証技術であるDMARCの導入・設定・運用を支援する。DMARCに関連したDNSレコードの設定を簡素化するGUIや、DMARCの認証結果を示すDMARCレポートの内容をわかりやすく可視化するGUIを提供する。
「DMARC Manager」は、独Hornetsecurity(ホーネットセキュリティ)が開発した、送信ドメイン認証技術であるDMARCの設定・運用を支援するソフトウェアである。日立ソリューションズは、Hornetsecurity日本法人との販売代理店契約に基づき、2025年7月18日よりDMARC Managerを提供する(図1、関連記事:Vade Japan、なりすましメール対策の設定・管理を簡素化する「DMARC Manager」)。

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DMARC(Domain-based Message Authentication Reporting and Conformance、ディーマーク)は、なりすましメール対策に用いる送信ドメイン認証技術である。DMARCの導入・運用にあたっては、DNSの設定ファイルに専用のレコード(SPF、DKIM、DMARC、BIMI、MTA-STS、TLS-RPTなどの設定)を記載する必要がある。その作業には相応の専門知識が求められる。
DMARC Managerは、このDNSへの設定をGUIで行える「ドメイン設定ツール」を提供する。DNSの設定ファイルを直接編集することなく、容易な操作でDMARCの各設定を設計・更新できる。
DMARCの運用開始後、その認証結果はDMARCレポートとして、XML形式のファイルがメールで送られてくるが、これも専門知識がないと理解が難しい。DMARC Managerは、同レポートをわかりやすく可視化するGUI「ステータスダッシュボード」を備えている。管理対象ドメイン別やメール送信事業者別のDMARC認証結果、DMARC認証結果別の送信メール数の状況などの統計情報を読みやすく表示する。
ステータスダッシュボードを用いることで、システム管理者は、DMARCが不適合と判定したメールの詳細情報から、「だれがなりすましメールを送信しているのか」「特定のメールがなぜ送信に失敗したのか」などを確認できる。また、アラートの設定とアラートの内容をメールで通知する運用にも対応する。
ビジネスメール詐欺(BEC)やフィッシング攻撃が増え続ける中で、大量のメールを送信する事業者に、DMARCへの準拠が求められている。しかしながら、「DMARCの導入には前提となるSPFやDKIMの設定などが必要なうえ、運用管理も複雑である」(日立ソリューションズ)ことから、同社は、導入のハードルを下げて設定・運用作業を容易にするツールとしてDMARC Managerを販売する。