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センコー、物流倉庫の人員配置をAIで支援、熟練者の経験と勘をシステム化

2024年6月19日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

物流会社のセンコー(本社:大阪市北区)は2024年6月19日、物流倉庫におけるスタッフの工数算出や適正配置、作業進捗管理などの運用業務をAIなどを使って自動化するシステムを構築したと発表した。SIベンダーのJDSCと共同で構築し、同年7月1日に稼働開始する。3拠点(合計で400人超の大規模センター)に導入後、全国の拠点に展開し、物流センターのローコストオペレーションの確立を目指す。

 物流会社のセンコーは、物流倉庫におけるスタッフの工数算出や適正配置、作業進捗管理などの運用業務をAIなどを使って自動化するシステムを構築した。SIベンダーのJDSCと共同で構築し、2024年7月1日に稼働開始する。

 システムの名称は「SAIFOMW(サイフォム:Senko AI FOreMan and Woman)」。まずは3拠点(合計で400人超の大規模センター)に導入する。その後、全国の拠点に導入を拡大し、物流センターのローコストオペレーションの確立を目指す(画面1)。

画面1:センコーが開発して2024年7月から運用する、物流倉庫の人員配置をAIで支援するシステム「SAIFOMW」の画面(出典:センコー)
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 「物流量が日々変わる物流倉庫では、スタッフ人員の確保と適正な配置が重要な課題である。これまで現場の指揮監督者である『職長』と呼ぶ熟練者が、経験と勘を基に倉庫内の必要工数を算出してきた。事業の拡大に伴い、新たな仕組みが必要になっていた」(センコー)

 これらの課題を解決するため、2022年1月から、AIとデータサイエンスを用いて「AI職長プロジェクト」と題したテスト運用を重ねた。この結果、印西ロジスティクスセンターにおいては、物量の様相から最適な工数を算出できるようになり、待機時間を原資とした14%の工数削減余地を確認した。これらの成果をもとに、運用を開始するに至った。

 開発したシステムは、これまで職長が担ってきた出勤確認やシフト作成、蓄積したビッグデータに基づく工数予測、生産性管理、進捗管理、作業員配置変更の業務を、AIが担う。具体的には、業務管理システムに格納した受発注データや生産計画をシステムにアップロードすると、AIが各場所の各作業に適した人員を算出する。職長は、この結果をもとに人員を配置する。算出結果は、日別、製品種別、雇用形態など、各種条件で確認可能である。

 これまで現場で蓄積してきた過去の知見をデータ化し、各作業を標準化・効率化する。現場の職長は、1拠点を管理するだけでなく、同エリアの複数拠点を管理したり、現場活動(コーチングや品質維持活動)に注力したりできるようになる。また、個人の生産性をデータ化し、これを配置時の推奨に反映する仕組みであることから、各作業員は自身が得意とする作業に従事できる可能性が高まる。これにより、作業員のモチベーションと定着率の向上に寄与する。

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