大阪市高速電気軌道(Osaka Metro、本社:大阪市西区)は、経営改革を支えるシステム基盤の刷新に取り組んでいる。SAPジャパンのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」を採用し、同ERPを中核とするシステム構築パッケージ「RISE with SAP」を活用して構築、2024年4月より稼働している。SAPジャパンが同年6月26日に発表した。
大阪市交通局の民営化によって、2018年に同局の鉄軌道事業を継承した大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)。グループ全体の経営管理と運営体制を合理的・戦略的なものに変革していくことを目指し、2025年度にかけてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している(図1)。
拡大画像表示
その一環で進行しているのが、基幹業務システムの刷新プロジェクトである。意思決定に必要な情報を適時提供できるシステム基盤を構築して、業績向上に寄与するデータドリブン経営の実現を目指している。
民営化と同時にSAP ERPを導入した同社は、その後、経営データの一元管理の強化と、将来に向けたクラウド基盤への移行を計画し、SAP ERPの後継となるクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Private Edition」の採用を決定した。
構築にあたっては、同ERPを中核とするシステム構築パッケージ「RISE with SAP」を活用。業務をERPの標準プロセスと機能に合わせるFit to Standardの方針に則って推進した。その際、プロジェクトリーダーの主導で業務フローを見直し、当初想定していたアドオンを80%削減している。
こうして開発工数とコストを抑えながら、S/4HANA Cloudへの移行を1年で完了。2024年4月より新システムが稼働している。
Osaka Metro / S/4HANA Cloud / 鉄道 / 運輸・交通 / クラウド移行 / 基幹システム / クラウドERP / SAP / 大阪市 / 大阪府 / SAP ERP