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ERPの要件定義書や設計書を生成AIで自動生成するツール「AutoConv-Navi」─NTS
2024年8月22日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
エヌティ・ソリューションズ(NTS)は2024年8月22日、ERPを内製導入する企業に向けたコンサルティング/SIサービスを同年9月から提供すると発表した。これに合わせて同社は、生成AIを活用したERP導入支援ツール「AutoConv-Navi」を開発、同ツールをコンサルティング/SIにも利用する。
豆蔵デジタルホールディングスの事業会社であるエヌティ・ソリューションズ(NTS)は、ERPを内製導入する企業に向けたコンサルティング/SIサービスを2024年9月から提供する。発表時点の対象ERP製品は、「Microsoft Dynamics 365 Finance」および「Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Management」である。
コンサルティング/SIの提供に合わせ、生成AIを活用したERP導入支援ツール「AutoConv-Navi」を開発した。まずはコンサルティングで同ツールを利用し、2025年4月以降を目途に、ユーザー自身で利用できるようにツールをSaaSとして提供する。
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AutoConv-Naviは、要件定義書や設計書など、システム開発プロジェクトで必要になる各種ドキュメントの作成を生成AIで支援する。ERP導入フェーズの各工程をカバーするテンプレートをあらかじめ用意しており、実行したい工程を選択してドキュメントを作成する(図1)。
AutoConv-Naviは、要件定義書の最終成果物に記載すべき事項を理解/学習済みで、ユーザーに質問しながら対話形式でユーザー固有の情報を収集し、最終的に、自動でドキュメントを生成する(図2)。
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同ツールを用いて以下のようなコンサルティング/SIを提供する。
- ERP導入ナビゲーション:ERP導入の各ステップを案内し、計画から実行までのプロセスを支援
- 要望の壁打ち:企業がERPで要望を実現するためのアドバイスを提供
- 機能検証:企業の要望に基づき、必要な文書(要件定義書、設計書)およびプログラムソースを作成し、要望が実現可能かを検証
- 品質チェック:AI技術を用いて、人の目では発見しにくいミス、矛盾点などを検知
「ERPの導入プロジェクトでは、業務を標準に合わせるFit to Standardの手法が浸透している一方で、実際のプロジェクトでは個別の要件をアドオン/カスタマイズ開発するケースも多く、結果としてエンジニアリソースが不足している」(NTS)。この課題の解決策として、AutoConv-Naviと合わせてERP内製導入のためのコンサルティング/SIを提供する。
すでにNTSは、AutoConv-Naviの利用を複数のプロジェクトで検証済み。結果の一例として、設計工程では55%の工数削減を実現したという。2024年度は、製造業への支援を通じて要件定義フェーズでの活用を進めていく。
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