富士通は2025年7月3日、ミッションクリティカルシステムのクラウド化を支援する「Mission Critical Transformation Service」のラインナップを拡充した。クラウドの基盤検討フェーズを支援する既存サービスに加えて、新たに移行を支援するサービスと、移行後の運用を支援するサービスの提供を開始した。
富士通の「Mission Critical Transformation Service」は、ミッションクリティカルシステム(システムが停止することで致命的な損害が出る、事業継続性が求められるシステム)のクラウド化を支援するサービスである。
システム基盤として、同社のソブリンクラウド(自国の法律や規制に則ってデータを運用可能なクラウド)「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」を使う(関連記事:富士通、Oracle Alloyベースのソブリンクラウドサービスを提供開始、機密性・データ主権要件に応える)。
2025年4月にサービスの第1弾として、基盤検討フェーズ向けの「MCインフラ最適化支援サービス」を提供開始した。今回、同年6月30日に運用フェーズ向けの(1)「MCプレミアムサポートサービス」を、同年7月3日に移行計画・実行フェーズ向けの(2)「MCマイグレーション支援サービス」の提供を開始した。
システム基盤である「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」も提供場所を拡充し、これまで提供していた東日本リージョンに加えて、同年6月30日から西日本リージョンでサービスを提供している。DR(災害時復旧)環境を国内で完結した形で構築可能である。

拡大画像表示
今回追加した(2)MCマイグレーション支援サービスは、移行計画の策定から実行までをトータルに支援するサービスである(図1)。移行にともなうシステム停止時間を減らし、プロジェクト全体の工数も削減する、としている。
今後は、富士通のソブリンクラウドだけでなく、富士通が提供する他のクラウド基盤も移行先として選べるようにする。また、ツールによる単純な移行だけでなく、生成AIを活用し、移行先クラウド環境の技術知見に基いて移行するとしている。
今回追加したもう1つのサービス、(1)MCプレミアムサポートサービスは、専任担当者による継続的な個別サポート、問い合わせ対応、スタンバイ体制などを提供する。システム停止時間を最小限に抑え、事業継続性を確保する、としている。
また、事業要件やシステムの特性に応じてクラウド環境の構成・運用方法を提案することで、リソースの使用率を高めてコスト削減を支援する。セキュリティ情報やアップデート情報も提供する。
今後は、ソブリンクラウドを含めたクラウド環境だけでなく、オンプレミス環境のシステムや、OS/ミドルウェア、アプリケーションを含めてシステム全体をトータルに支援する予定。