BIPROGYは2025年8月18日、設備管理システム「中長期保全計画・予算実績管理ソリューション」を提供開始した。建物・設備の中長期保全計画を自動作成する。優先すべき工事の選定や工事の実績を元にした計画の見直しが可能になり、ライフサイクル管理コストの削減に役立てられる。
BIPROGYの「中長期保全計画・予算実績管理ソリューション」は、建物・設備の中長期保全計画を自動で作成するシステムである。優先すべき工事の選定や工事実績を元にした計画の見直しが可能になり、ライフサイクル管理コストの削減に役立てられる(図1)。

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保全計画とは、建物などの資産を長期間にわたって良好な状態で維持するために将来にわたる修繕・改修の計画を策定すること。建物の部位ごとに修繕時期・費用を予測し、中長期で計画的に保全を実施することで、資産価値の維持やコストの削減を図る。
「建物の管理会社やオーナーが抱える課題は、設備の耐用年数データ、点検記録、故障履歴などの情報が各所に分散していること。この情報分散により、中長期的な工事計画の策定や作業管理が煩雑になり、効率的な保全業務が困難となっている」(BIPROGY)
中長期保全計画・予算実績管理ソリューションは、施設や資産に関する情報を統合管理する、BIPROGYのワークプレイス管理システム「Archibus」をベースとしている。Archibusのパートナーであるアイスクウェアドが開発した中長期工事計画モジュールとBIPROGYのArchibus導入支援サービスを組み合わせて提供する(図2、関連記事:BIPROGYとリコー、3D/BIM情報を持たない建物のデジタルツインを構築する仕組みを検証)。

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管理会社の導入メリットとして、建物のオーナーへの保全提案業務の効率化を挙げている。耐用年数表や故障履歴との自動ひもづけにより、設備台帳から必要情報を迅速に抽出でき、年度予算の計画策定時には、グラフや集計表、類似提案データ、過去見積もりを効率的に準備可能という。
建物のオーナーが得られるメリットとして、保全計画の策定や工事管理の自動化を挙げている。前倒しや先送りなどの予算平準化や工事計画の調整、工事の進捗管理を効率的に行え、適切な保全計画の下、中長期的な建物資産価値の維持向上につながるとしている。