[事例ニュース]
オカムラ、配送最適化システムを採用、製品配送計画や荷物積付方法の算出を自動化へ
2025年2月28日(金)IT Leaders編集部、日川 佳三
オフィス家具メーカーのオカムラ(本社:神奈川県横浜市)は2025年2月28日、製品配送計画の効率化やトラック積載率の向上を目的に、日立製作所の配送最適化システム「Hitachi Digital Solution for Logistics(HDSL)」を導入すると発表した。同社横浜物流センターで同年12月からの運用開始を予定している。将来的には全国の物流センターに導入していく計画という。
オフィス家具メーカーのオカムラは、自社生産製品を配送する物流ネットワークを全国に展開している。同社によると、配送計画の立案やトラック積載率を高める積み付け方法の計算は、担当者が経験・ノウハウを基に手作業で行っているという。「製品の梱包形状が多岐にわたるため、特にトラックへの最適な積み付けには時間を要し、効率化が課題だった」(同社)。
「トラックドライバーの時間外労働の上限制限に起因する物流2024年問題により、ドライバー不足や配送コストの高騰の問題が深刻化している。これまでより少人数のドライバーによる効率的な配送や、ドライバーの負担軽減の考慮が求められている」(オカムラ)
そこで、配送計画の効率化やトラック積載率向上による、トラック車両台数の削減を目的に、日立製作所の配送最適化システム「Hitachi Digital Solution for Logistics(HDSL)」の導入を決定。HDSLに備わる配送計画と実績を一元管理・可視化するデジタルツインの仕組みを用いて、2025年12月にオカムラの横浜物流センター(神奈川県横浜市)での運用開始を予定している。将来的には全国の物流センターに導入していく計画という(図1)。
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オカムラは、配送最適化システムの導入により、以下を実現するとしている(図2)。
配送計画の自動立案
車両ごとの配送先・配送日時の割り付けや配送ルート策定などの配送計画を自動で立案する。日々の出荷予定数量に応じて出荷を前倒ししながら、継地に荷物が過剰に溜まることを抑えるよう出荷のバランスを判断する。
トラックへの製品の積み付け方法の自動計算
配送順序や製品の梱包形状などに基づいて担当者が決めていた積み付けについて、トラックに製品を積む順番などに関するノウハウを整理し、最適な積み付け方法を自動計算する。積み付け方法の検討時間を短縮し、積載率を高める。
積み付けの計算結果は、タブレットなどの画面に3Dで表示。配車担当者だけでなく、現場の積み付け作業員も積み付け内容を確認できる。積み付け方法の標準化・可視化によって業務の属人化を解消する。
配送状況の動態管理(ドライバー業務の可視化)
走行実績などを正確に記録する動態管理機能により、ドライバー業務を可視化する。納品先での作業時間が明確になり、計画立案時のインプットに活用できる。ドライバーの実態に沿った計画が立案可能になる。