1カ月間に発表された主要なユーザー事例を紹介する、ニュースフラッシュ ユーザー事例編。製造業や金融業、その他のユーザー企業の情報システム導入・構築事例から12個の事例を取り上げた。
[金融業]アウトソーシング
福井銀行、地銀向け共同センター利用開始
2009年1月4日に利用を開始した。預金などの勘定系業務や、融資の統合管理システム、取引履歴の検索機能などを複数の地銀で共同利用する。システムの構築や運用コストの削減、顧客サービスの強化を迅速に実現するのが狙い。NTTデータの勘定系ソフト「BeSTA」を使用した地銀向け共同利用施設「NTTデータ地銀共同センター」を利用している。 (2009/1/4)
[製造業] ID管理
エルピーダメモリ(現マイクロンメモリジャパン)、セキュリティ基盤を強化
これまで部門ごとに分かれていたID管理体制を改め、一元管理できるよう刷新した。同社では雇用形態の多様化によりID管理が複雑化していたほか、顧客からのコンプライアンスへの要求の高まりもあり、セキュリティ対策の強化が急務だった。京セラコミュニケーションシステムのID管理システム「GreenOffice Directory」を採用した。2008年7月に稼働開始している。 (2009/1/6)
[その他]ストレージ
ローソンがストレージシステム刷新
進行中の次世代ITシステム構築の一環として実施。2008年12月から順次刷新している。顧客の商品購入で1日あたり約6900万件のトランザクション処理が発生するほか、商品の受発注など社内でのシステム利用も多く、膨大なデータを安定して処理できるシステムが必要だった。システムはEMCジャパンのストレージ「EMC Symmetrix DMX-4」などを使用して構築した。 (2009/1/8)
[その他]PC運用管理
聖路加国際病院、院内PCの運用環境を改善
インテル vPro テクノロジー搭載のPCを導入した。導入台数は約500台。これまで看護師が手作業で行っていた、始業前のPC起動を自動化することで業務効率を改善した。遠隔シャットダウン機能により、使用していないPCの電源を計画的にオフにするなどコスト削減効果も狙う。富士通製クライアントPCと、同社の運用管理アプリケーション「HOPE/瞬快」を利用している。 (2009/1/16)
[製造業] ASP/電子メールシステム
丸大食品、ASP形式のメールシステム使用開始
メールサーバが老朽化しており、早期にシステムを刷新する必要があった。当初は自社運用を考えていたが、要求する機能とセキュリティ水準を満たし、かつ低コストで運用できると判断したことからASPサービスを選択した。システムにはビック東海のメールASPサービス「OneOffice Mail Solution」を採用した。2008年10月に使用開始している。 (2009/1/20)
[製造業] 購買調達システム
前田建設工業、購買調達システム刷新へ
同社の工事現場からの見積要求に対して、取引業者がインターネット上で取引条件を提示できるようにするのが骨子。従来の対面商談では避けられなかった、時間的なずれによる取引条件の変化を最小限に抑えることが狙い。準大手ゼネコンという立場で取引先の多い同社では、購買業務における透明性の確保が急務だった。システムはC2SRが構築する。 (2009/1/20)
[製造業] 社内SNS
オムロン、社内コミュニケーションサイト構築
構築したのは、「NetWave」と呼ぶグループ社員向けコミュニケーションサイト。社内のノウハウをグループ全体で共有できるようにするのが目的。Q&A機能を用意して他の社員への質問をしやすくしたり、プロジェクトのエピソードを書き込むWikiを用意することで、問題解決のためのデータベース構築を促す仕組みを備えた。システムはBeat Communicationが構築した。 (2009/1/21)
[その他]リッチクライアント
中部電力、火力発電の設備管理システム刷新へ
Webシステムの開発・運用基盤を導入したのが骨子。今後この基盤上で、設備の点検計画や部品調達といった設備管理情報を一元管理するシステムを構築する。電力小売自由化による競争激化や化石燃料の価格高騰を受け、設備運用を効率化できるシステム構築が課題だった。日本ネクサウェブのWebシステム基盤「Nexaweb」を導入。富士通がシステムを構築する。 (2009/1/21)
[製造業] 企業アプリケーション統合(EAI)
日本国土開発、基幹システムと資産管理システムを連携
資産管理システム上のIT資産情報と、基幹システム上の組織情報を自動的に紐付けて管理できるようにした。同社では組織変更が頻繁に発生しており、資産管理の負荷が急激に高まっていた。今後は基幹システムと工事実績管理システムとも連携させる予定。システムはアシストのデータ連携ソフトウェア「DataSpider Servista」(開発:アプレッソ)を採用した。 (2009/1/21)
[金融業]コンタクトセンター/顧客関係管理(CRM)
トレイダーズ証券、CRMシステムを全面刷新
コンタクトセンターと、各商品ごとに分散していたシステムを一元管理できるようにした。同社では商品の多様化や口座開設数の増加に伴い、顧客情報の名寄せ処理が煩雑化していた。パナソニックのコンタクトセンター構築パッケージ「MediaLogue」、インフォテリアのEAIツール「ASTERIA」を使用し、パナソニック電工インフォメーションシステムズが構築した。 (2009/1/23)
[製造業] SaaS/シングルサインオン
ユニ・チャームがSaaS形式のオフィスアプリ導入
グーグルのオフィスアプリ群「Google Apps Premier Edition」を採用した。海外展開を進める上で社内システムを統一する必要があり、コスト削減効果を評価して採用に至った。併せてインターナショナルシステムリサーチのシングルサインオン環境構築パッケージ「Cloud Gate シングルサインオン」などを導入し、認証機能やパスワード管理機能を強化した。 (2009/1/28)
[その他]運用管理/アウトソーシング
三井物産、PC運用管理をアウトソースへ
国内拠点や一部子会社で利用している1万3000台のPCを対象に、2009年4月から開始する。運用管理コストの削減が狙い。同社が2008年11月から進める、社内PCの標準化を含めたPC管理改革の一環として実施する。今後はグループのITインフラ全体の標準化を進める予定。ユニアデックスのPC運用管理サービス「クライアントPC LCMサービス」を利用する。 (2009/2/2)