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愛知県が汎用機からプライベートクラウドへ移行、Cisco UCSを採用し災害対策も実現

2014年1月13日(月)IT Leaders編集部

愛知県がプライベートクラウド、および遠隔バックアップシステムを構築し、汎用機上の情報システムの移行を進めている。ネットワンシステムズが2014年1月10日に発表したリリースで明らかにしたもの。プライベートクラウドはVMwareの仮想化ソフト vSphere、シスコのUCSサーバー、EMCのストレージEMC VNXといった「VCE」の製品を使って構築した。愛知県は運用経費の30%削減を見込んでいる。

愛知県では、200を超える情報システムを稼働させており、ハードウェア賃借料や回線費用も含め年間約75億円の運用経費を投じている。多くを占めるのが汎用機関連であるのに加え、

  • 長年にわたる運用でプログラムが複雑化し、法制度改正などへの対応が困難
  • プログラム修正や運用管理が可能な技術者が減少し、安定的な運用保守要員の確保が困難
  • 稼働している業務システムの要求する処理能力に比べ、汎用機の能力が過大

といった問題を抱えていた。

一方、愛知県は「世界と闘える愛知・名古屋」を掲げ、「世界に誇れる産業力、経済力、文化力、地域力を生かしつつ、経済、財政を豊かにすることにより、教育、医療、福祉などの住民サービスを充実する」を目指している。そのための基盤と位置づけられる情報通信システムのリニューアルは、急務になっていた。

そうした状況下で、同県は「あいちICTアクションプラン2015」を策定。2014年3月末に汎用機を廃止する方針を打ち出した。VCEによるプライベートクラウドはその受け皿であり、2013年10月に稼働させた。リリースによると移行対象のシステムは12あり、当然、これだけのシステムを移行するのは一筋縄ではいかないはずなので、当初方針の「2014年3月末の汎用機廃止」は達成困難と見られる。それはともかく上図から明らかなように、愛知県は電力会社の異なる地区にプライベートクラウドのバックアップ用データセンターを設けている(図1)。


図1 愛知県のプライベートクラウド基盤
 

システムの改修にも取り組む。あいちICTアクションプラン2015によると、複式簿記や発生主義を採り入れた新たな公会計制度の導入に伴う、複式簿記サブシステムや建設資産管理システムの開発、財務システムなどの関連システムの改修、機器更新やパッケージソフトのサポート終了の時期を迎える総務事務システム(アイシステム)などの既存システムの改修、社会保障・税番号制度・国民ID制度への対応などがある。

一方、県全体では約170の個別システムがあり、そのためのサーバーは1000台を超える。その運用経費も厳しい財政状況の中で大きな負担となっていることから、これらも順次、プライベートクラウドに移行する。今後はパブリッククラウドの利用にも取り組計画だ(図2)。


図2 愛知県が進めるシステム再構築イメージ
 

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愛知県 / 自治体 / 電子政府 / 災害対策 / Cisco Systems / 名古屋市

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