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日本は「IT活用はCIO任せ」、アクセンチュアのグローバル調査で浮き彫りに

2014年2月12日(水)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

アクセンチュアは2014年2月12日、同社が実施した「グローバルCEO調査 2014」の概要についての記者説明会を開催し、日本企業に求められる経営課題として、(1)グローバリゼーション、(2)組織・人材への投資、(3)デジタイゼーションの3つを提示した。いずれもグローバル企業と日本企業の間で、CEO(最高経営責任者)ら経営層の認識にかい離があるという。特にデジタイゼーションにおいては、CEOとCIO(最高情報責任者)、および事業部長の3者による課題の共有が必要だと指摘する。

 ICTを経営に生かすデジタイゼーションでは、グローバル企業と日本企業で大きな違いが出た。誰がデジタイゼーションの責任者かという認識である。グローバル企業では、「CEOが責任者」とする回答が35%で最も多く、それにCTO(最高技術責任者)が23%、CIOが22%で続く。これに対し、日本企業では「CEOが責任者」とするのは14%であり、CIOが39%でトップ、CTOも22%だった(図2)。

図2:デジタル・イノベーションの責任者に対する日本企業とグローバル企業の違い

 これら3課題を解決するために、アクセンチュアは「スピード経営のための5カ条を提示した(図3)。具体的には、(1)最前線を変革、(2)データをつなぐ、(3)データを情報に転換、(4)情報に基づく意思決定、(5)必ず振り返る、である。

図3:スピード経営のための5カ条

 これら5カ条の基本は、データに基づく経営の徹底である。ソーシャルメディアやセンサーが収集したデータを活用し、経営と現場とが共通の情報に基づき、それぞれの役割を果たす。そこでは、「報告のためのデータ収集や分析を不要にする仕組みと評価方法が必要になる」(清水氏)とする。

 5カ条だけをみれば、日本企業の間でもその考え方は理解されているように見える。だが、清水氏は、「日本企業は成長期に最適な機能型組織のまま新たな経営課題の取り組もうとしている。技術への経営の期待は高いのだから、『技術はCIOの管轄』といった見方を変えていく必要がある。特に、CIOと事業部長の関係は大きく変えなければならない」と指摘する。

 具体的には、「これまでのシステム開発では、どうしても実績を上げている事業部門の声が強くなり、現場のニーズを優先した“部分最適”になりがち」(清水氏)だった。

 状況打破に向けた取り組みとして清水氏は、「データに基づく経営は、すなわち企業に横串を刺すことであり、全体最適に向けた“仕組み”作りが不可欠になる。小規模で良いので、データ活用経営の成功体験が出れば、日本企業は変われる。今後3年が勝負だ」と強調した。

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