インフォマートは2025年6月25日、企業のIT部門や役員などを対象に実施した「2025年の崖とDXに関する実態調査」の結果を発表した。回答企業の6割以上にレガシーシステムが存在していることが判明した。また、2025年の崖という言葉の内容や問題を6割近くが知らなかった一方で、8割は2025年の崖が事業に与える負の影響を懸念している。
インフォマートは、企業や自治体のIT部門、DX推進担当、経営企画の従事者および経営者・役員の計360人を対象に、「2025年の崖とデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する実態調査」を行った。2025年5月23日~28日にインターネットで調査している。
2025年の崖は、経済産業省が2018年9月に発表した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」が初出。レガシーシステム(老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システム)が残存することによる国内の経済損失が年間で最大12兆円にまで増加する可能性を指摘している。
調査では、そもそも2025年の崖という言葉を知っているかどうかを尋ねている。結果を見ると、「内容をよく理解しており、自社への影響も把握している」(27.2%)と「言葉は知っており、概要も理解している」(14.2%)を合わせて41.4%が知っていたと回答。一方、「全く知らない」(42.2%)と「言葉は聞いたことがあるが、内容はよく知らない」(16.4%)を合わせて6割近く(58.6%)が、その内容への理解に至っていないことが判明した(図1)。

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次に、2025年の崖が、回答者の勤務先にどの程度影響を与えるかを聞いている。図2は勤務先への影響について「分からない」と回答した人を除外して集計したグラフだ。「非常に大きな負の影響がある」(20.1%)、「ある程度、負の影響がある」(36.9%)、「多少は負の影響があるかもしれない」(23.4%)を合わせて8割以上(80.4%)が、2025年の崖が事業に与える負の影響を懸念している。

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また、2025年の崖が勤務先に与えうるリスクについて考えられるものについて自由回答で聞いたところ、「システム障害やシステム更新の影響で業務に支障が出る」「利用システムのサポート期限終了によるセキュリティリスクが増大する」「人材不足により運用保守業務の継続ができない」などが挙がった。
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