Webベースの業務システムをできるだけ短期間に開発できないものか─。こうしたニーズにおいて関心が高まっているのが、世に「超高速開発ツール」と呼ばれ、業務要件などを定めればソースコードを自動生成するタイプのツールだ。とはいえ、カタログスペックだけを見ても、各ツールの特徴や違いがなかなか分からない。そこで第3回を迎えた「超高速開発コミュニティセミナー」(主催:超高速開発コミュニティ)では、GeneXus、Wagby、Web Performerの3製品を一堂に集めた「ライブ・ディベロップメント」を実施。各ツールの特性や差異を明らかにするともに、今後の本格的な普及に向けた課題を示した。
ウォーターフォール型開発と比べ総費用や工数を1/4に大幅削減
3製品のプレゼンテーションの後は、有識者による評価や問題提起が行われた。まず、株式会社オラン代表取締役でNPOシステムイニシアティブ協会理事長などを務める木内里美氏が壇上に立ち、「以前は超高速開発ツールと言えば、出来上がったアプリケーションの見栄えも味気ないものが多かったのですが、すいぶん改良され、十分に実業務に耐えられるレベルになってきました」とコメント。その一方では、「多くのユーザー企業から本当の信用を得るまでには至ってないのでしょうか」と課題を投げかけた。
では、各ベンダーには今後どんな取り組みが求められるのだろうか。「実際に企業内で超高速開発ツールを使っているのは、アーリーアダプターと呼ばれる層のエンジニアたち。最も大切なことは、そうしたキーマンをいかに引き込み、優れた事例を多く作っていくかにあります。これができてはじめて、超高速開発ツールをマジョリティーアダプターの世界に持っていくことができます」と木内氏は訴えた。
細川泰秀氏
続いて登壇した、日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)のエグゼクティブ・フェローである細川泰秀氏が、既存のウォーターフォール型システム開発モデルである「JFS(JUAS Function Scale)」と超高速開発ツールを比較したユーザー調査結果を発表し、今回のセミナーを総括した。
これによると、超高速開発ツールはJFSに対する平均値としてシステム開発の総費用が3分の1から4分の1以下という大幅な削減が達成されていることが明らかになった。また、超高速開発ツールの満足度調査においても、品質評価、費用評価、工期評価、ユーザー満足度、技術者満足度と、非常に高い割合で「良い」という回答が寄せられている。
もちろん、今回の調査結果は超高速開発ツールに対して高まる評価や期待の一端を示すことはできたものの、まだまだサンプル数としては少ないことから、より多くのデータ収集を実施し、信頼性を高めていく必要がある。また、「ユーザーに納入後、総合テストを経て安定稼働に至るまでに発見された障害(バグ)数」といった内容については未分析であり、細川氏は「品質データの採取増加とともに、ドキュメント量調査など、超高速開発ツールの“見える化”のために、さらなる協力をお願いします」と各ベンダーに呼びかけた。
Wagby / GeneXus / 超高速開発 / ジャスミンソフト / キヤノンソフトウェア / ウイング / エフ・エフ・ソル / JUAS / 超高速開発コミュニティ / WebPerformer / キヤノンITソリューションズ
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