[市場動向]
Gnipに学ぶソーシャルデータ分析市場のエコシステム―Social Big Data Conference Tokyo 2014
2014年4月24日(木)緒方 啓吾(IT Leaders編集部)
ウイングアーク、ホットリンク、ネットイヤー、日立システムズの4社は、2014年4月24日、ソーシャルデータの活用をテーマとしたカンファレンス「Social Big Data Conference Tokyo 2014」を開催した。基調講演には、米Gnip社の共同創業者でCTOを務めるJud Valeski氏が登壇。自社のサービスを例に、ソーシャルデータ分析分野のエコシステムを紹介した。以下、概要を紹介する。
ソーシャルデータ分析のコツは、正しくメディアをカクテルすること
ソーシャルデータを各社はどう活用すべきか。Valeski氏は、「目的に合わせて、メディアをカクテルすべき」と秘訣を語る。企業が求める答えは、必ずしも1つのソーシャルメディアから得られるとは限らない。複数のメディアのデータを貼り合わせて、分析に必要なデータを作り出す必要がある。
どんなメディアを使うかも重要だ。それぞれ投稿データの性質が異なるからだ。例えば、PR担当者が、自社や商品の評判をチェックしたりするためには、ツイッターやフェイスブックが向いている。リアルタイム性に富むため、市場の動向を素早く察知できる。自社の悪評も見落とさずに済む。
一方、商品開発のヒントを得たいのならば、ブログが適している。リアルタイム性では劣るが、文字数に制限がないため、その分、情報量も多い。じっくりと腰を据えて、分析的な記事を投稿しているユーザーも多い。深い洞察が得られる可能性があるというわけだ。
ソーシャルデータの活用は世界的に活発化しており、利用領域も拡大している。金融や広告代理店、企業のビジネス戦略や学術分野にも及んでいる。「ソーシャルメディアの普及によって、人間の思考がデジタル化され、ネットワーク上を飛び交うようになった。毎秒毎秒、生み出される膨大なデータを集約、分析すれば、人々が何を考えているか理解できる。そして、そのために必要な道具はそろっている」と締めくくった。