[市場動向]

「業績に貢献するITを議論できるパートナーになる」日本HP新社長の吉田仁志氏

2015年1月9日(金)魯 玉芳(IT Leaders編集部)

日本HP(ヒューレット・パッカード)の新社長に2015年1月1日付で就任した吉田仁志氏が2015年1月8日、都内で会見し所信表明した。吉田氏は、「顧客企業の業績への貢献」および「(企業の業績向上による)社会への貢献」に取り組むことを繰り返し強調した。

日本HPの新社長についた吉田 仁志 氏(右)と米本社シニアバイスプレジデントのJim Merritt氏日本HPの新社長についた吉田 仁志 氏(右)と米本社シニアバイスプレジデントのJim Merritt氏
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 「HPが目指すのは、顧客に信頼されるパートナー。業績に最も貢献できるITや仕組みは何かを共に議論できるだけの顧客からの信頼を得たい」。日本HP(ヒューレット・パッカード)の吉田仁志代表取締役社長執行役員エンタープライズ事業統括は、これからの日本HPが進むべき方向を、こう説明する。

 吉田氏は直近まで、データ分析大手の米SAS Instituteで日本を含む北アジア事業を率いたほか、それ以前はソフトベンダーの米ノベルや、プロジェクト推進コンサルティングを行う米ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズの日本法人社長などを歴任してきた。

 こうした経験を踏まえた上で今回、HPを選んだ理由について、「顧客や社会への貢献に向けて、ハードウェアからソフトウェア、サービスまでを包括的かつグローバルに提供できるIT企業は、ほんの数社しかない。HPはその1社だ」と話す。

 加えて、「企業理念や企業文化が合致したことが大きい」(吉田氏)とする。具体的には、「企業として利益を追求するのはもちろんだが、HPはそれだけではく、社会への貢献をうたっている。個人の考えと企業理念が合致しなければ、日々の業務に疑問を感じることにもなり、業務を推進できない」(同)という。

 吉田氏からみた現在のHP評は、「1つひとつはしっかりとした高品質な製品と、真面目な社員が揃っている。だが、全体を取りまとめた提案につながっておらず、自己アピールも不十分な企業」。

 それを今後は、「より高い視点から全体を取りまとめ、顧客と議論し、価値のある提案ができる企業」(吉田氏)に変えていく。それにより、「顧客の業績に貢献するとともに、社会にも貢献したい」(同)とする。

 その背景を吉田氏は、「現在は世界経済もIT業界も大きな変革期にある。新しい社会のあり方が問われているわけで、そこでITが果たす役割も大きくなっている」と説明。HPは、「そうした変化に対応するだけでなく、その先頭に立ち変革をリードできる可能性がある」とした。

 吉田氏と共に会見に登壇した米本社シニアバイスプレジデントのJim Merritt(ジム・メリット)氏は、吉田氏について、「ハード/ソフトからサービスまでの経験があり、グローバルに企業を成功に導いてきた。顧客志向であることも、HPの理念に合致している」と紹介した。

 HPは2015年に、企業向けビジネスを営むHP Enterpriseと、個人の行動を支援するHP Incとに分社化することを決めている。Merritt氏は、「2012年に始まったHPの改革は2015年、成長に向けて加速する段階にある。そこでは、顧客が、ビジネス価値を最大化する『New Style of IT』にスムースに移行できるよう支援していく。その牽引者として吉田氏は適任だ」と話す。

 なお日本HPもエンタープライズ事業とコンシューマー事業に分社する予定である。分社後の経営体制については未定としながらも、Merritt氏は、「経歴を見れば、吉田氏がどちらの事業のトップに立つかは想像できる」とした。

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