香港での交通カードシステム刷新という大型案件。競合する北京鳳凰の行動には何か裏がありそうなため、同社の蘇総経理に直接電話し、2日後に北京で会う約束を取り付けた。日本ITCソリューション課長の佐々木と、香港支社副社長の森山は、夕食を採りながら、孫子の兵法の始計篇の「詭道」に基づき、対中国企業のための戦略を練り始めていた。中国人や華僑の人材を味方に付け、彼らと共に交渉を進めるべきだとの考えが強まっていった。
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