SBI損害保険(本社:東京都港区)は2025年4月16日、生成AIを活用して自動車事故受付センターの顧客体験(CX)を高める検証を開始したと発表した。アルティウスリンクのコンタクトセンターサービス「Altius ONE for Support」に備わる生成AIアプリケーションを利用する。
SBI損害保険は、生成AIを活用して自動車事故受付センターの顧客体験(CX)を高める検証を開始した。アルティウスリンクのコンタクトセンターサービス「Altius ONE for Support」に備わる生成AIアプリケーションを利用する(図1、関連記事:生成AI/LLMを活用したコンタクトセンター業務アプリ群を共同開発─KDDI、アルティウスリンク、ELYZA)。

拡大画像表示
(1)オペレーターの後処理時間を短縮、(2)VoC(顧客の声)とCS(顧客満足度)の相関分析、(3)VoCから商品・サービス改善要望を抽出、の3つに生成AIを適用し、有用性を検証する。
(1)オペレーターの後処理時間を短縮
Altius ONE for Supportに標準で備わる「対話要約アプリ」を利用する。顧客とオペレーターの会話を音声認識でテキスト化した応対データを自動で要約する。オペレーターが通話後に行う記録作業などの後処理を35%削減することを目指す。
(2)VoCとCSの相関分析
応対データを構造化して品質に関連する特徴量を抽出し、CSとの相関関係を分析する。相関があるデータを指定してPDCAサイクルを回すことで、オペレーターの応対において顧客満足度に影響を与える要因を特定する。オペレーターの応対品質を数値化・可視化できるので評価の自動化につながるほか、管理者による各オペレーターの応対品質チェックにかかる工数も減る。
(3)VoCから商品・サービス改善要望を抽出
音声認識でテキスト化した応対データを生成AIで解析し、顧客の潜在的なニーズを掘り起こす。契約内容、オプション、手続き、サポート体制などに関する意見や要望に該当するキーワードを抽出・分類・分析して商品やサービスの改善を図る。
SBI損保は、これらの検証結果を踏まえて、実業務での導入を目指す。CSを予測する「予測モデル」の構築をはじめ、生成AIの利用範囲をさらに広げるための検証も進める。