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[市場動向]

富士通、水冷で電力効率を高めたデータセンターサービスを提供へ、Supermicro/ニデックと協業

2025年度の第4四半期までに提供予定

2025年4月18日(金)IT Leaders編集部

富士通は2025年4月17日、水冷技術を採用して電力効率を高めたデータセンターサービスの提供を2025年度の第4四半期までを目途に提供すると発表した。企業は同サービスの利用によって世界トップレベルのPUE(エネルギー使用効率指標)を目指せるとしている。サービスの提供にあたり、GPUサーバーの米Super Micro Computerと、冷却システムを供給するニデックと協業した。

 富士通は、水冷技術を採用して電力効率を高めたデータセンターサービスを、2025年度(2026年3月期)の第4四半期までを目途に提供する。企業は同サービスを利用によって、世界トップレベルのPUE(Power Usage Effectiveness:エネルギー使用効率指標)を目指せるとアピールしている。

 「AIの急速な普及に伴って、データセンターの消費電力の増加が社会課題になっている。AIサーバーに用いるGPUの発熱量増加に起因するもので、冷却に膨大な電力が使われる」(富士通)。同社によれば、空冷方式のPUEが平均1.6に対し、水冷方式のPUEは平均1.2で冷却効率が高いが、水冷方式は導入のハードルが高く、普及が進んでいないという。

 そこで、GPUサーバーベンダーの米Super Micro Computer(Supermicro)と冷却システムを提供するニデック(2023年4月に日本電産より社名変更)と協業し、データセンターにおける冷却電力の削減に取り組む。

 Supermicroは水冷方式のGPUサーバー(写真1)を提供する。空冷ファンが不要で、サーバーの電力消費、騒音、設置環境温度を抑えてサーバー設置環境の改善に貢献する。ニデックはサーバーに冷却液を送り込むCDU(冷却分配ユニット)を中心とした冷却システム(写真2)を提供する。

写真1:NVIDIA B200 GPU搭載サーバー(出典:Super Micro Computer)
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写真1:CDU(冷却分配ユニット)を配した冷却システム(出典:ニデック)
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 富士通は水冷監視制御ソフトウェアを新たに開発する。水冷ハードウェアとサーバーの状態をリアルタイムで監視して複数のCDUなどを統合管理することで、冷却システム全体の信頼性、可用性、効率性を高める。水冷設備の電力消費量を抑えることで、データセンター全体のPUEが空冷方式と比較して最大40%向上するという。

 また、富士通は、水冷/液体冷却管理サービス「Fujitsu Liquid Cooling Management for Datacenter」を2025年度第1四半期に提供する。導入検討・計画段階から構築、運用・保守までライフサイクル全般を支援する。加えて、ハードウェアからソフトウェア、保守サポートまでを、初期投資費用を抑えて導入可能なサブスクリプション型で提供する。

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富士通、水冷で電力効率を高めたデータセンターサービスを提供へ、Supermicro/ニデックと協業富士通は2025年4月17日、水冷技術を採用して電力効率を高めたデータセンターサービスの提供を2025年度の第4四半期までを目途に提供すると発表した。企業は同サービスの利用によって世界トップレベルのPUE(エネルギー使用効率指標)を目指せるとしている。サービスの提供にあたり、GPUサーバーの米Super Micro Computerと、冷却システムを供給するニデックと協業した。

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