[調査・レポート]

プライベートAIの基盤需要などで、国内HCI市場は2029年まで年4.1%成長─IDC

2025年7月24日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

IDC Japanは2025年7月23日、国内におけるハイパーコンバージドシステム(HCI:ハイパーコンバージドインフラ)市場の予測を発表した。2024年~2029年の支出額の年間平均成長率(CAGR)は4.1%、2029年の支出額を731億2200万円と予測している。主要な成長要因として、仮想化環境のモダナイゼーション/更改需要の継続、プライベートAI基盤としての新たな需要の高まりを挙げている。

 IDC Japanは、国内におけるハイパーコンバージドシステム(HCI:ハイパーコンバージドインフラ)市場を予測した。2024年~2029年の支出額の年間平均成長率(CAGR)は4.1%、2029年の支出額を731億2200万円と予測している。主要な成長要因として、仮想化環境のモダナイゼーション/更改需要の継続、プライベートAI基盤としての新たな需要の高まりを挙げている(図1)。

図1:国内におけるハイパーコンバージドシステム市場の予測(出典:IDC Japan)
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 IDCによると、主要な仮想化ソフトウェアのライセンス体系やパートナー制度などの変更を受け、国内市場においても仮想化環境の再検討が進んでいるという。「一方で、仮想化環境の更改や移行に関する方針は、企業や組織の従業員規模、産業分野によって異なる。例えば、金融や官公庁などの大規模ユーザーと中小規模ユーザーでは、機能、コスト、信頼性に対する要求や移行の容易性が異なる」(同社)。

 上記の状況から、ユーザー企業が仮想化ソフトを変更する場合でも、サーバー/ストレージ基盤の選択肢としてHCIを選ぶケースが多いことから、その変更はHCI市場の予測において大きなマイナス要因にはならないと同社は見ている。

 中長期的には、AI活用ビジネスへの転換とAIの活用範囲の拡大、組織固有のデータ活用の進展に伴って、推論を中心にオンプレミスやエッジへのAIワークロードの展開が拡大するという。「特に、エージェンティックAIの普及は、AIインフラの多様化や複雑化を加速する。ハイパーコンバージドシステムは、AI開発基盤の前提となるコンテナ環境を統合すると共に、プライベートAI基盤の有力な選択肢の1つになる」(IDC)。

 同社 Infrastructure & Devices リサーチマネージャーの宝出幸久氏は次のようにコメントしている。「ハイパーコンバージドシステムは、仮想化環境のモダナイゼーションの進展を背景に堅調な成長を続ける。さらに、エッジを含む専有型環境におけるプライベートAIの統合基盤としての新たな需要も市場の成長を促進する要因となる」。

 今回の発表は、同社のレポート「国内ハイパーコンバージドシステム市場予測、2025年~2029年」(JPJ52243925)で詳細を報告している。レポートでは、同市場における従業員規模別、産業分野別、地域別の2025年~2029年支出額予測を分析している。

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