IDC Japanは2015年8月31日、国内タブレット市場（電子ブックリーダー端末を除く）の2015年第2四半期（4～6月）の出荷台数実績値を発表した。昨今のスマートフォンの画面大型化の傾向が影響し、コンシューマー向け市場での出荷台数が減少し、全体で前年同期比13.4％減の169万台となっている。
2015年第2四半期の国内タブレット端末出荷台数は、前年同期比13.4％減の169万台となった。IDC Japanでは、スマートフォンで大型画面の製品が増えている影響やタブレットの利用用途が広がらないことからコンシューマー向けタブレットへの需要が縮小したこと、2015年下半期の新製品投入に向け各社が在庫調整を行ったことがタブレット市場全体が縮小する要因になったと見ている。同社によると、コンシューマー向けタブレットの出荷台数は、前年同期比26.0％減の115万台となっている。
コンシューマー向けとは対照的に、ビジネス市場向けのタブレットは出荷台数を伸ばした。B2B2C用途でのAndroidタブレットや企業向けWindowsタブレットの需要拡大に伴い、前年同期比35.0％増の54万台となり、ビジネス市場がタブレット市場全体を底支えしたかたちだ。
メーカー別シェアに目を向けると、同四半期の国内タブレット市場出荷台数の上位6社は、アップル、エイスース、マイクロソフト、LG、ソニー、NEC/レノボグループとなっている（図1）。アップルの「iPad」シリーズは、前年同期比8.1％減と出荷台数を落としたもののシェアでは42.3％を占める。また、エイスースは、従来の「Nexus 7」シリーズの後継である「MeMO」シリーズの出荷が第1四半期同様、好調に推移したことで10.5％とシェアを拡大し2位につけた。
図1：2015年第2四半期 国内タブレット市場 ベンダー別出荷台数シェア（出典：IDC Japan、2015年8月） 市場の今後の見通しに関し、IDC JapanのPC，携帯端末＆クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は次のように述べている。「家庭市場において大型スマートフォンの普及により、スマートフォンでも小型タブレットに近い使い勝手が実現され、タブレットならではのメリットをユーザーは享受しにくい状況になっている。このため、大型スマートフォンとは別の土俵としての画面サイズやアプリケーションを利用した新しいユースケースの開発が望まれる」
今回の発表は、IDCが発行する「Worldwide Quarterly Tablet Tracker」で詳細が報告されている。
