本はKindleなどの電子書籍に、時計はApple Watchなどのスマートウォッチに……。さまざまなものがデジタル化する中で、紀元前2000年には存在していたといわれる「鍵」のデジタル化は遅れている。その「鍵のデジタル化」を目的に立ち上がったベンチャー企業がPhotosynth(フォトシンス)だ。同社は2015年12月3日、マンションなどの共有部分の自動ドアに対応した新製品を発表、鍵のデジタル化をまた一歩進化させた。
鍵をデジタル化した「スマートロック」は、アプリをインストールしたスマートフォンが物理的な鍵の役目を果たす。ソフトウェアベースのため、鍵の共有や権利の付与、剥奪が容易に行える。期間を限定した鍵の発行も行えるため、来客の際にも便利だ。スマートフォンの電池切れで使えなくなるリスクはあるものの、特にビジネス利用の場合、通常の鍵では行えない柔軟な運用が可能になるという利点があり、不動産会社などが注目している。
例えば店舗の場合、セキュリティ上の問題で全従業員分の合鍵を作るわけにはいかない。大抵の場合、次の日の早番担当者が鍵を持ち帰る、あるいは店長が1人で鍵を管理するなど1つの鍵を使い回すことになる。担当者や店長が遅刻、あるいは病気によって1番に店舗に来ることができなくなれば、開店時刻の遅延などの問題が発生することも。
写真1:スマートロックは企業の入退室管理として利用することも可能だスマートロックであれば、例えばメールやLINEなどを使って鍵の受け渡しが行える。わざわざ実際に会って鍵の受け渡しを行うといった、時間のロスを防げる。また、どこかに忘れてきてしまう、落としてしまうといったリスクもない。あるいは、開錠、施錠の時間や担当者を履歴として残すことができるため、入退室管理のひとつとして利用することも可能だ。
ここに紹介する「Akerun」は、2014年に設立されたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)ベンチャーのPhotosynth(フォトシンス)が開発したスマートロックだ。スマートロックは、国内でも数社のベンチャー企業から提供されているが、Akerunの場合「世界初」を標榜する“後付け”のスマートロックであることが特徴となっている。
Akerunは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「研究開発型ベンチャー支援事業(スタートアップイノベータープログラム)」の第1回公募に採択されて開発された製品だ。
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