近畿圏と首都圏を中心に約260店舗のスーパーマーケットを展開するライフコーポレーション(本社:本社は大阪府大阪市、東京都台東区の)が全社的なデータ分析基盤を導入し、1年強にわたって活用を進めている。ソリューションが採用されたSAPジャパンが2016年6月29日に発表した。
コンビニエンスストアやドラッグストアなどの出店攻勢や、ネット通販を利用する人の増加といったことを背景に、スーパーマーケットは厳しい市場競争を強いられている。
店舗を構える商圏の特性(地域世帯の特徴や土地柄など)に合わせて商品構成や売り場作りに工夫を凝らすことで魅力を打ち出し、来店者を一人でも増やすことが基本戦略となる。また自らEコマースに進出して、オムニチャネルによる展開を進めることも視野に入れなければならない。そのために欠かせない取り組みの1つがデータ分析による現状の正確な把握だ。
同社はこれまでもPOS(販売時点情報管理)データを中心とした分析を積極的に推し進めてきた。もっとも、POSを対象とする分析はあくまで販売実績がベース。それぞれの商品が店頭に並ぶに至る前工程を含めて、より広範な業務プロセス全般を可視化することの必要性を感じていた。
実際に、各業務部門から個別に要請を受けてシステム化することも多々あったが、昨今はニーズが複雑化し、さらには店舗数や店舗業態の拡大、取扱商品点数の増加などもあいまって迅速な対応が難しくなっていた。そこで検討したのが、様々な業務システムから得られる膨大なデータを対象とした、全社統合的なデータ分析基盤の整備だ。
いくつかのソリューションを比較検討し、分析基盤の中核として「SAP BusinessObjects」を導入することを決めた。稼働を開始したのは2015年4月。店舗運営の最適化に向けた各種のKPI(重要業績指標)を全社で共有するといった取り組みが浸透している。さらに今後は、各部門の中間管理職層や各店舗のバイヤーなど、ユーザーの範囲を拡大するとともに、より掘り下げた分析に役立てていくという。