[市場動向]
まさしく「サーバー製品のショーケース」─多彩なDellサーバーの全体像をチェックする
2016年11月11日(金)IT Leaders編集部
今やDellはIT業界で最も多くの種類、タイプのサーバーを提供しているメーカーと言っていい。中堅中小企業向けのタワー型サーバーから大手企業やデータセンター事業者向けのラックマウントサーバー、あるいは導入後すぐに使え、拡張も容易な垂直統合サーバーに至るまで、実に多彩なのだ。パート3ではDellのサーバー製品とその裏にある戦略をチェックする。
「Dellといえばパソコン・メーカー」という印象を持つ人はさすがに減ったにせよ、「先駆的なサーバー・メーカー」というイメージも強くないだろう。だが実際には小規模企業から大企業、データセンター事業者向けまでカバレッジは広く、様々な用途に使える汎用サーバーからプライベートクラウド基盤や機械学習専用など特定用途向けサーバーまで、Dell製品のラインアップは極めて多彩だ(図1)。
図1にその全体像を端的にまとめた。大別すると、①中堅・中小企業(スモールビジネス)向けを主体に大企業のブランチオフィスをカバーするタワー型サーバー、②大手企業のリモートオフィス/ブランチオフィス、そしてデータセンター向けのブレード型サーバーやラックマウント型サーバー、③企業グループやデータセンター事業者向けの大規模ブレードサーバーや高集積サーバー、がある。
さらに小規模から超大規模データセンター向けには、④コンバージドインフラ(CI)、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)と呼ばれる垂直統合サーバーもある。プロセサ、ストレージ、ネットワーク機器、仮想化ソフトウェアや管理ソフトウェアをセットにし、プロセサやストレージの拡張性を高めたITインフラだ。それぞれ存在意義はあるにせよ、全体像を把握するのが難しいほどのラインアップである。
しかもDell Technologiesになる今後は、旧EMC傘下のVCEが提供するCI/HCI製品がラインアップに加わる。ほかにもDellは数千のプロセサノードを接続したHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)やIoTのためのシステム基盤なども製造している。さらに 有力なソフトウェア企業と提携して、新たなインフラを生み出してもいる(図2)。あたかも「サーバー製品のショーケース」、「サーバーのデパート」という表現がピタリとくるほどだ。
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