ZenmuTechは2017年9月5日、データを分割して無意味化する秘密分散方式を採用した情報漏洩対策ソフト「ZENMU for PC」の新バージョン3.3を発表、同日販売を開始した。新版では、予期しない情報漏洩を防ぐため、Webブラウザ(Internet Explorer)のインターネット一時ファイルも無意味化できるようにした。
ZenmuTechの「ZENMU for PC」は、ファイルをAONT(All-or-Nothing Transform)方式で秘密分散する情報漏洩対策ソフトである。ファイルを2分割し、一片をPCの内蔵ディスクに、もう一片をUSBメモリーやファイルサーバーなどの外部ストレージに分散保管する。二片が揃わないとデータを読み取ることができないので、一片が漏洩しても情報が漏洩しない。

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Windows上に作られる仮想ドライブ(ZENMUドライブ)が、秘密分散の対象となる。「Eドライブ」などのドライブレターを付けて運用できる。ファイルをZENMUドライブに保存するだけで分散保存できる。外部ストレージを切り離すとZENMUドライブが消える。PCに外部ストレージを接続するとZENMUドライブが現れ、ファイルにアクセスできる。
セキュリティを強化する機能として、ZENMUモードと呼ぶ、外部ストレージを接続してZENMUドライブが利用できる場合に限ってデスクトップ環境が利用できるようになる使い方を用意している。ZENMUモードでは、デスクトップやマイドキュメントなどに保存するファイルをZENMUドライブに移行することもできる。
今回の新版では、ZENMUドライブに移行できるOS領域を拡大し、新たにWebブラウザのInternet Explorer(IE)が生成するインターネット一時ファイルの保存先フォルダー(Temporary Internet Files)もZENMUドライブに作成できるようにした。これにより、PC上にインターネット一時ファイルが残っていても、外部ストレージを取り外してZENMUモードを終了すれば、PC内には無意味化された分散片しか残らない。
ライセンスは買い取り型と年額制のサブスクリプション型があり、いずれもユーザー数に応じてユーザー単価が変わる。価格(税別)は、買い取り型の場合、最も単価が高くなる1~99ユーザー時に1ユーザー2万7400円で、保守料は15%の4100円。サブスクリプション型の場合、最も単価が高くなる1~99ユーザー時に1ユーザー年額9600円。
ZENMU for PCの稼働OSは、Windows 7/8.1/10。利用可能な外部ストレージは、USBメモリー、iPhone/Androidスマートフォン、Windows共有フォルダー(社内ファイルサーバーなど)、クラウドストレージの「Box」。