IoTの普及には、セキュリティ対策の徹底が不可欠だ。「何でもインターネットにつながる」ということは「何でも攻撃対象になる」からだ。センサーやデバイス、エッジ、クラウド、ネットワークなど様々な要素の組み合わせで成り立つIoT、いったいどこのレイヤーで守るのがベストなのかが議論となっている。そんな中、デバイスレイヤーでのIoTセキュリティ対策で注目されている日本のベンチャーがある。それがセルテックだ。IoTセキュリティの分野で世界的に注目される江川将偉氏が率いるセルテックは、AIやハイパーバイザーなど組込み分野の尖った技術力を武器にIoTセキュリティ市場の中心に躍り出ようとしている。
セルテックの江川将偉社長セルテックが持つアーキテクチャの中で、今もっとも注目されているのが「FOXvisor」という組み込みシステム向けのハイパーバイザーだ。OSより下の領域でデバイスを守る技術で、「ARMのセキュリティ技術であるTrustZoneにミートする形で開発されたもの」(江川氏)だという。
FOXvisorが提供する仮想化技術は、IoT時代のセキュリティにとって大変重要なアーキテクチャといえる。ハイパーバイザーは、サーバーでOSをシェアリングするもの、複数のOSを1つのサーバーに乗せるものとして知られている。一方、FOXvisorのような組み込みハイパーバイザーの考え方は、ドメインを2重化して、2つのOSを同時に走らせようというもの。
ARMの設計に含まれるセキュリティ技術であるTrustZoneは、通常の動作はハッキングリスクのあるノーマルOSで行い、大事なデータはセキュアOSで管理する。攻撃から守るのではなく、攻撃されても大事なデータを抜かれないようにするもので、FOXvisorはこのOSの2重化を実現するためのハイパーバイザーだ。
(図1)ARMのTrustedZoneの概念拡大画像表示
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