EMCジャパン2018年6月22日、説明会を開き、Dell EMCのクラウド事業であるVirtustreamについて説明した。他のクラウド事業者との差異化ポイントとして、ハードウェアに垂直統合システムのVblockを使うなど、オンプレミスの基幹システムと同等のシステム環境を運用できる点を挙げる。
Virtustreamは、Dell EMCのIaaS事業である。ユーザーは、VMware仮想マシンを従量制で利用できる。市販で手に入るハードウェアやソフトウェアだけでクラウドサービスを提供しており、オンプレミスのVMware環境と同じシステム環境を提供できるとしている。
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他社のクラウドサービスと比べた最大の特徴は、ERPなどの基幹業務システムの稼働環境として使うことを想定していることである。PCサーバーにはVblockを採用しており、システムの要件に合わせて高性能なサーバーをスケールアップ型で用意できる。これに対して一般的なクラウドサービスは、Web APIサービスを多数のサーバーでスケールアウト型で提供する用途を指向している。
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サーバー資源を使ったぶんだけ従量型で課金することも特徴である。まず、割り当てる仮想サーバーのスペックは、利用開始時に要件に合わせてサイジングする。これに対し、実際にリソースを使った分を計測し、使った分だけ課金する。5分間に1回、その時のリソース消費率を計測し、1カ月の平均を算出して課金する。リソース使用量の計算には、単位として「μVM」(CPU 200MHz、メモリー768MB、40 IOPS、2Mbps)を使う。
可用性も確保した。グローバルでは、個々の地域ごとに2カ所のデータセンターを用意している。日本は東京と大阪である。2カ所のデータセンターを使って、DR(災害復旧)サイトを運営する。ユーザーは、DRサイトを使いたい旨を伝えるだけで、システムをDRサイトでバックアップできる。また、システムのSLAは99.999%であり、RPO(目標復旧地点)は15分、RTO(目標復旧時間)は2時間である。
オンプレミス環境からの引っ越しサービスも提供する。引っ越しのための専門チームを用意しているという。引っ越しを効率化するツールを作って用意しているため、ユーザーみずから引っ越すよりも素早く効率よく引っ越せるという。